子どもの成長を促すために、プロテインを飲ませているパパ・ママは多いと思います。ですが、プロテインを子どもに飲ませることの弊害を訴える声もところどころで聞かれ、どちらが本当のことなのか、不安に思う方も少なくありません。果たして、プロテインは子どもにとって有害なのか、それとも有益なのか。その効果と弊害について、ご紹介します。
プロテインが子どもに与える好影響について
子どもがプロテインを飲むことで、身体にはどのような好影響が現れるのでしょうか?普段の食事に加えてプロテインを飲むことで、普段は運動をしないような子どもにも、何らかの効果は期待できるのかをお話ししましょう。
子どもに飲ませるのはジュニア用プロテイン
プロテインを子どもに飲ませるかどうかの議論が生まれる一因として、子どもに大人が飲むようなプロテインを飲ませてよいのかという意見があります。実は、この認識自体に誤りがあり、子どもが飲んでもよいプロテインというものがあるのです。子どもに飲ませるプロテインのことを「ジュニア用プロテイン」といい、大人向けのプロテインに比べて、きめ細かい栄養素の配合がなされています。そのため、必ずしも運動を前提とした摂取に限らず、日々の食事で不足しがちな栄養素を補給する目的にもかなっているのです。
身体を動かすのが好きな子どもにはおすすめ
不足している栄養分を補うために適しているジュニア用プロテインですが、やはり身体を動かすのが好きな子どもには特におすすめです。子どもは風の子といいますが、多くの子どもは家だろうと外だろうと元気に動き回りたいという気持ちが強いものです。特に、野球やサッカーチームに入るなど、スポーツを本格的に始めることにした子どもであれば、普段の食事では栄養が足りないということも十分ありますから、栄養補助食品としてプロテインを適度に取り入れるとよいでしょう。
どんなプロテインを飲ませるべきなのか
プロテインの種類については、安易に「これがよい」とおすすめできるものはありません。なぜなら、ジュニア用プロテインには、成長を促すカルシウムが多く含まれている傾向にありますが、子どもの運動の度合いによっても必要な栄養素は変わってくるからです。大切なのは、「飲んでおいしいこと」です。子どもが自ら継続して飲むことをしなければ、どんなに栄養が詰まっていても意味がありません。小さいパッケージを購入して実際に子どもに飲ませたり、プロテインバーに足を運んで試飲してみたりすると、敷居が低くなるはずです。
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プロテインが子どもに与える弊害について
プロテインを子どものころから飲み続けることで、健康上の弊害が生じるという意見もよく聞きますよね。ですが、具体的にどのような症状が現れるのかは、個人差があるので一概にはいえないところがあります。以下に、よくいわれている弊害の種類と、その理由についてまとめてみました。
身長が伸びなくなってしまうリスクがある
よくいわれているリスクの一つに、子どものころからプロテインを飲むと、身長が伸びなくなってしまうというものがあります。筋肉が先に付くと骨の成長が止まり、身長が伸びなくなってしまうという考え方です。ですが、現代のプロテインにはカルシウムも配合されており、骨を伸ばすための栄養素も含まれていますから、骨の成長を阻害する栄養素は含まれていません。ただ、タンパク質は過剰に摂取すると、体内のカルシウムを排出してしまうおそれもあります。決められた分量を守り、筋肉の成長に特化したトレーニングだけを続けないようにしたいところです。
飲み過ぎると太ってしまう可能性がある
プロテインを普段の食事の他に摂取すると、かえって太ってしまうという意見があります。この点についてはその通りで、たくさんプロテインを飲んでいるのに運動をしていなければ、当然カロリーを摂りすぎにより、太ります。タンパク質が体内で余ってしまうと、本来は皮膚・筋肉・ホルモンなどの材料になるのですが、それが行き場を失い、脂肪として身体に蓄えられてしまうのです。あくまでも、プロテインは栄養補助食品であることを忘れず、清涼飲料水代わりに飲むのは止めましょう。
消化に時間がかかり内蔵に負担をかける
プロテインを飲んでタンパク質を多く摂取すると、消化に時間がかかって肝臓などの内蔵に負担をかけるから、子どもには飲ませない方がよいという意見も聞きます。確かに、プロテインであれ肉や魚であれ、タンパク質の消化には時間がかかりますから、そういわれても致し方ない一面はあります。ですが、同じタンパク源として比較した場合、プロテインはタンパク質を効率的に吸収できるよう構成された栄養補助食品ですから、消化しにくいという指摘は必ずしもみんなに当てはまるものではないといえるでしょう。ただ、実際に飲んでみて子どもがおなかをこわすようなことがあれば、速やかに飲むのを控えてください。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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