内閣府が発行する平成28年度版の『男女共同参画白書』によると、昨年度の共働き夫婦は1,114万世帯(前年度比3.4%増)。一方、夫のみが働く家庭は687万世帯(同4.6%減)であり、今後もこの差は拡大する傾向にあります。
働く世帯の過半が共働きとなって久しい今の日本ですが、共働きは子育てにどう影響するのでしょうか。さらに、上手に子育てをするための工夫をいくつかご紹介します。
共働きは子育てにどう影響する?
早い時期から社会性が身につく!
多くは乳児の頃から保育園に通い集団にもまれて過ごすため、早い時期から社会性が身につきます。同時に、いやが応でも病原菌やウイルスの洗礼を受けるため抵抗力も備わります。(初めのうちは本人も家族も大変ですが)これらは生涯にわたって必要な「生きる力」となりますが、その基礎が早期に培われるわけです。
自立の機会を作れるので、自己管理の訓練になる
子どもが少し大きくなれば、「宿題を済ませてからでなければ遊びに行ってはいけない」「◯時には遊びを切り上げて塾へ行かねばならない」などの簡単なタイムマネジメントを始め、「鍵や財布をなくさない」といったルールを守ること、つまり生活の管理を自分でしなければならないため自主性が身につきます。
親が一緒にいれば、少なからぬ人が「あれをしなさい、これをしなさい」と過度に指図・干渉してしまうものですが、一定の範囲内ではあるものの自分で自分を律し行動する訓練になるのです。そのため、親離れ・子離れが早くなるのも特徴です。
単純に世帯所得が増加する
夫婦一方の収入がかなり潤沢で他方が、働こうが働くまいが家計にほとんど影響がないと言えるほど余裕のある世帯は一握りでしょう。
当然ですが、増えた分の収入で生活費や貯蓄を始め教育費やレクリエーションにもより多くのお金を振り向けることができますし、事故や病気を考えると収入の柱が二つあったほうが良いのは自明です。年金も増えますし、退職金や厚生年金の上乗せがある場合はそれら制度的なメリットも後々生じます。
子育てのために共働きを諦めた結果、老後に備えた蓄えが少なく将来子どもに負担をかけるというのでは本末転倒です。また、子どもだけでなく夫婦それぞれが自分のために使えるお金を多少なりとも増やせれば精神的なゆとりも生じますし、ひいては温かい家族を築き上げることにもなります。親のメリットは子のメリットにもつながるのです。
子どもと接する物理的な時間は減少する
子どもと一緒にいる「見た目の時間」は当然少なくなります。しかし、夫婦の一方が働いていなくとも、始終スマホをいじっていて、自分の時間を満喫することに費やしているのでは、子どもと一緒にいないのと同じです。
あるいは一日中イライラして怒鳴り散らされているというのでは子どもは萎縮してしまいますし、むしろ不在よりも害が大きいと言えます。
子どもの頃に親が共稼ぎだったという人の事例をみるに、「寂しかったけれど言えなかった」など親がいないことによるひっそり感を強く感じていた人もいれば、働く親を誇りに思ったり、成長するにつれ少しずつ家事を任されるようになったり「私が手伝っているから母も働けるのだ」という自負と共に過ごした人もいるのです。
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家事をしながらでも会話はできる
面と向き合って遊んであげることはできなくとも、例えば料理中や洗濯物を畳んだり食器を洗う間など、家事の途中でも時々目を合わせたり、会話をすることはできるはずです。
膝突き合わせての対話だけがコミュニケーションではありません。3歳くらいになれば徐々に家事を一緒にすることもできるようになりますし、働く親にとってはつらい家事も子どもには遊び感覚であることが多いです。
もちろん、食事中やお風呂の時間はコミュニケーションやスキンシップの最も大切な一時となります。
家族が全員そろう時間を決めて集まる
「朝食は必ず全員で食卓を共にする」、「休日はできる限り皆でお出掛けをする」、「◯曜の夜は皆で夕食を食べる」等々、忙しい中でも親子が集まる時間を決め打ちしてしまうのも一つの方法です。
決まっていなければ他の予定で埋まってしまうスケジュールも、こうすることで定期的に家族だんらんの場を設けることが可能になります。
子育てに有利な環境を作り上げていく
祖父母がお近くにいれば面倒をみてくださる場合も多いでしょうし、ご近所のお友達も大切です。
もちろん、突然「子どもをみてください」は虫が良すぎる話で、これらは普段から親が交流することによる関係性次第で周囲の対応も異なってきます。また、簡単なことではないものの「育児に優しい」職場を選ぶことや転職も一度は真剣に検討すべき事項です。
夫婦のうち一方の職場に理解があるだけでも子育ての負担はかなり軽減されます。昨今では少なからぬ会社が多様な働き方を可能にする種々の取り組みを始めており、制度面でも育児に協力的な企業が年々増えています。
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