日本は地震や台風といった自然災害が多い国です。近年の自然災害の大変な被害を受けて、非常食や保存水を用意するようになったご家庭も多いのではないでしょうか。いざというときに備えておくのはとても大事なことですが、非常食などの賞味期限、きちんとチェックできていますか?この記事では、賞味期限を切らさないよう工夫した、保管方法の一種であるローリングストック法について解説します。
この記事のもくじ - 項目をクリックで該当箇所へ
ローリングストック法で賞味期限問題も解決
近年、日本が自然災害の甚大な被害を受けている影響で、非常食を用意しているご家庭も多いことと思います。万が一に備えて用意しておくのはよいことですが、出番がなくそのまま置きっぱなしにしておくのは実はNG。そこで注目したいのがローリングストック法という保存方法です。
ローリングストック法で新しい食料を常備
非常食や保存水はかなりの長期間にわたって保存が可能です。とはいっても、もちろん賞味期限はあります。災害が起こらず、非常食の出番がない状況が続くのが、一番ではありますが、使わないままだといざというときに賞味期限が切れてしまっていることも。
それを防ぐために活用したいのがローリングストック法です。非常食としてただ蓄えておくのではなく、古い食料から順に消費していき、食べた分をまた買い足します。このようにして常に新しい食糧を備蓄しておくという方法です。
ローリングストック法の流れ
賞味期限が短くても非常食になる!
ローリングストック法のよいところは、賞味期限が比較的短い食料でも非常食として備蓄できるところです。従来の非常食は2~3年保存できるものも多いですが、ローリングストック法なら期限が迫っているものから順々に食べていき買い足していくので、そこまで保存期間が長いものを用意する必要はありません。そのため、賞味期限が1年程度のものでも十分蓄えておけるというわけです。
これなら、普段よく食べていて味もわかっているものを非常時にも食べられます。食事は毎日のことですから、非常時でも食べ慣れたものが口にできれば多少安心できるのではないでしょうか。
合わせて読みたい

普段から非常食を食べて“万が一”に備える
大きな災害が起こった直後は「ちゃんと準備しておかなきゃ!」と気合を入れて非常食や保存水を一挙に準備するかもしれません。でも、それも時間の経過とともに危機感と一緒に忘れ去られてしまいます。そうするとせっかくの非常食も賞味期限切れで大量廃棄、ということになりかねません。
ローリングストック法を実行する際には、普段から非常食を食べるようにして危機感を忘れないようにすることが大切です。
普段からおいしく食べられるものを選ぶ
ローリングストック法を実行する場合、日常的に食卓に上がるものを備蓄するということになります。長期保存が可能な非常食はあくまで“非常食”。バリエーションも乏しく、あまりおいしくはありません。でも普段から食べるものとなれば、おいしく食べられるものを選びたいものですよね。
非常食として普段の食事とはまったく別のものを用意するより、食べ慣れた食料を普段から多めに買い置きしておいた方が、いざというときには安心できるはずです。家族みんなが好んで食べる食料は、多めにストックを準備しておきましょう。
定期的に非常食を食べる機会を
食べ慣れている食材以外に、長期保存可能な非常食も少しは備蓄しておくとより安心です。その場合も、購入後ずっと防災リュックに入れたままにしないで、定期的に食べるようにすることをおすすめします。家族みんなで非常食を食べてみて、口に合う・合わないを確かめてみましょう。もちろん非常時には「おいしい・おいしくない」などとは言っていられませんが、おいしい食事は心も体も元気にしてくれるはず。やはりできるだけおいしく食べられるものがよいといえます。
賞味期限短めのものから長期保存可能なものまでいろいろ試してみて、少しでもおいしく食べられる非常食をストックしておくようにしましょう。
合わせて読みたい

冷蔵庫や冷凍庫にも食糧を多めに備蓄する
大災害時には1週間以上分のストックがあるとよいとされています。1週間分というとかなり多く感じられますが、普段食べているものを多めに買って冷蔵庫・冷凍庫で保管するのも一つの方法です。具体的にどんなものをストックしておけばいいのか、どのような順で食べていけばいいのかをお伝えします。
ライフラインが限られたときでも食べられるものを
冷蔵・冷凍保管用に多めに買っておきたいのは、以下のような食材です。
- 食パン
- 冷凍の野菜
- 冷凍食品
冷凍食品は火を通す必要があるものがほとんどです。でも、パンや冷凍の野菜は自然解凍でも食べることができるので、ライフラインに限りがある災害時でもOK。
その他に多めにストックしておきたいのは、以下のような食材です。
- 野菜、果物、魚などの缶詰
- ラーメンやパスタなどの乾麺類
- スープなどのフリーズドライ食品
- レトルト食品
パスタはできるだけゆで時間が短くて済むものの方が、ライフラインが限られる災害時には向いているといえます。またウオーターサーバーはお水を定期的に補充してくるので水の備蓄につながります。
調理器具なども忘れずに準備しておこう
災害時はガスや電気も使えないことが多いです。毎日普通に使っていると使える環境が当たり前になり頭から抜けてしまいがちですが、カセットコンロやボンベも忘れずに準備しておきましょう。
カセットボンベは1本で約1時間使用可能となっていて、毎日30分使用する場合、1カ月で約15本必要になります。カセットボンベはちょっと場所を取りますし、「あまりたくさん備蓄できない」という方もいるかもしれません。しかしガスや電気が使えない状況下では、カセットコンロは貴重な熱源となるので、可能な限り多くあった方が安心です。
おわりに
大災害はテレビなどで被害状況を見ているだけでは、あまり自分事とは思えないですよね。しかし、これまで自然災害の被害をほとんど受けることがなかった地域でも災害が発生するといった事態も起こっている近年、明日はわが身だということを意識する必要があります。まずはできることから始めていきましょう。
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
ピックアップ




台湾在住の30代。2011年日本語教師として台湾へ、2013年結婚。3歳年上の台湾人夫と猫1匹と仲良く暮らしています。2015年秋から在宅Webライターとして活動。2013年末からゆるーく妊活継続中。
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。