成人男性が風疹の予防接種をしておくべき理由とは
風疹に感染してしまう方は、風疹への免疫を持っていません。風疹への免疫を作るには、予防接種が必要です。特に、風疹にかかることが多い成人男性こそ、風疹の予防接種を心がけましょう。しかし、予防接種が面倒だと思う方もいるかもしれません。そこで、予防接種を受けることで避けられるリスクについて考えてみましょう。
妊娠中の女性に感染させる可能性を防ぐ
もしも妻が妊娠中だったとしたら、夫は必ず風疹の予防接種を受けておくことが大切です。妊娠中の女性が風疹にかかってしまうと、本人が風疹の症状に苦しむだけではなく、おなかの中の赤ちゃんにも影響します。さらに赤ちゃんが風疹にかかってしまうと、発疹などができるだけではなく、先天性の障害を持って生まれてくるリスクも高くなるのです。また、配偶者が妊娠中ではなくても、周囲に妊娠中の女性がいるなら、しっかりと予防接種を受けて感染を防ぎましょう。妊娠中の女性は予防接種を受けることができないので、周りが特に注意をすることが大切です。
周囲からの感染・周囲に感染させるのを防ぐ
風疹の予防接種を受けておけば、周囲で風疹にかかっている方がいたとしても、感染するリスクを随分と軽減できます。風疹に感染している成人男性は非常に多いので、気づかないうちにウイルスを持っている方と接触することもあるかもしれませんが、そんなときでも予防接種を受けていれば安心できます。
また、自分が風疹にならないことで、周囲に風疹を感染させてしまうことも防げるでしょう。風疹感染の被害者にも加害者にもならないためには、予防接種が有効なのです。
自分が風疹で苦しむのを防ぐことができる
大人になってから風疹にかかると、重症化しやすい傾向にあります。子どもなら発疹と微熱程度で回復することもあるのに対し、大人だと高熱が出たり、激しい頭痛を感じたりと、非常に苦しむ方が多いといわれています。
しかし、風疹の予防接種をしていれば、そのような苦しみを感じなくてすみます。つまり、風疹の予防接種は、自分の身を守るためにも重要なことなのです。「予防接種が面倒だし、自分は大丈夫だ」という理由で予防接種を避けたくなるかもしれませんが、過信は厳禁。
風疹の予防接種、特定年代の男性は三年間無料に
厚生労働省は2018年12月、風疹の追加対策として以下を発表しました。
対象:【昭和37年4月2日~54年4月1日の間に生まれた男性】
- 2019~2022年3月31日までの三年間、抗体検査・定期接種が原則無料
- 夜間、休日の抗体検査・予防接種の実現に向け体制を整備
仕事は休めないし費用もかかるから…と予防接種を受けていなかった方も、これを機に自分に抗体があるのか調べて、自分のためにも周囲のためにも、予防接種を受けておくことをおすすめします。
おわりに
「風疹は子どもの病気」だというイメージを持っていた方もいるでしょうが、それは正しい知識ではありません。特に風疹にかかることの多い30代~50代の男性こそ、真剣に予防接種について検討すべきでしょう。もちろん成人男性だけではなく、成人女性も予防接種を受けていて困ることはありません。風疹で苦しまないためにも、積極的に予防接種は受けておくと良いですね。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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