母乳には赤ちゃんに免疫力をつけるための栄養素が豊富に含まれており、赤ちゃんの身体的・精神的な成長に対して多くの役割を担っています。でも、母乳をやめる時期をどうするのかは人によってバラバラなようです。いつやめるのが正解なのか?栄養的には早くやめても問題ないのか?卒乳・断乳時期の判断をする際に浮かんでくるさまざまな疑問にお答えします。
母乳の栄養は半年でなくなるって、ホント?
赤ちゃんを産んですぐの「初乳」には最も多くの栄養素・免疫をつくる成分が入っており、色も黄色っぽく濃厚です。それが段々と薄くなっていくことから、栄養も少なく、半年たつと水と同じと言う人もいます。本当のところはどうなのでしょうか?
母乳の栄養はパーフェクト!免疫面でも唯一無二です
赤ちゃんの身体に吸収されやすい良質なたんぱく質、カルシウム、豊富なビタミン・ミネラル、脂質・糖質など、赤ちゃんが成長していくのに必要なもの全てが実に適量に含まれています。また、ママがもつ免疫力をそのまま赤ちゃんに受け渡すことができるのも母乳のすごさです。この点は人工ミルクでは成し得ない特別なことと言えます。
いつまでその栄養素が続くものなの?
母乳の栄養価が薄くなっていくという話を聞きますが、実はそうではなく、母乳の栄養価はそのままですが赤ちゃんの成長が進むと母乳だけでは足りなくなる、というのが正しいようです。「生後6カ月になると母乳だけでは鉄分が不足するため離乳食を開始していくことが必要となってきます。」(引用元:順天堂大学医学部付属静岡病院)と言われており、6カ月を境に離乳食との併用を検討すると良さそうです。
赤ちゃんにとっての味はどうなの?
ある時期を超えると味が変化する、というのは無いようです。ただ、前の日に食べたものによって母乳の味に変化が出てきます。甘いものや脂っぽいものを食べ過ぎると、母乳の味が変わりやすく、その変化に敏感で飲みたがらない赤ちゃんもいるようです。偏った食事が多くなると乳腺が詰まってしまうなどのトラブルにつながる可能性もありますので注意しましょう。
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母乳はいつまであげればいいもの?
おっぱい卒業する時期は本当に赤ちゃんそれぞれ。半年の子もいれば、2歳という子もいます。「いつが正解なの?」と考えがちですが、実は正しい時期というのはありません。赤ちゃんとママで納得して卒業するのが一番です。
栄養面ではなく、判断はママと赤ちゃん次第です
前項で、6カ月を過ぎると母乳だけでは鉄分が不足するという話をしましたが、離乳食やフォローアップミルクで補いながら母乳を続行することはもちろん可能で、多くのママが実践しています。いつ母乳を卒業するのかは、栄養面ではなく、赤ちゃんとのスキンシップによる安心感・信頼感に変化が起きないかを重視して考えましょう。次項に母乳をやめることのメリット・デメリットをまとめますので参考にしてください。
母乳をやめることのメリットとは?
メリットと感じるかどうかは個人差によりますが、以下のようなメリットがあげられます。
- 授乳服、授乳ケープ、授乳室を気にしなくて良くなる
- 生理が来るようになり次の妊娠に向けてスタートできる
- 薬、アルコールを飲めるようになる
- 子どもがよく食べ、よく眠るようになると感じる人が多い※これには個人差があります。
母乳をやめることのデメリットとは?
逆におっぱいを卒業することで、デメリットになることは何でしょうか。
- 上手に搾乳しないと乳腺炎になりやすくなる
- はじめは子どもが精神的に不安定になりやすく、ぐずった時におっぱいを吸わせて落ち着かせることができなくなる
世の中のママの多くが手を焼くのが、やはり寝かしつけやぐずった時の対処です。これまではおっぱいを吸わせて落ち着かせていたのに別の方法をとる必要があるとなるとやはり一苦労します。
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お酒が好きですが育児もがんばっています。
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