現代と昔の湯冷ましについての考え方
現代では、湯冷ましは生後3カ月以降にミルクや母乳の補助として与えても良いという考え方が主流になっています。しかし、1970年代ごろは赤ちゃんには毎日湯冷ましを与えた方が良いという考え方が広がっていました。医学の進歩などによって、赤ちゃんの育児方法も移り変わっているといえます。
1970年代に毎日湯冷ましが必要だとされていた理由
母親から、「赤ちゃんには毎日湯冷ましを飲ませてあげた方が良いよ」といわれたことはありませんか?1970年代は、ちょうど粉ミルクが普及するようになり、母乳で育てる母親の数が減ってきたころでもあります。当時の粉ミルクは、タンパク質やミネラルの濃度が濃く、それらを薄めるため湯冷ましを飲ませるようにという保健指導が産院などで行われていたそうです。
現代の湯冷ましは必ずしも必要ないとされている理由
現代では赤ちゃんに湯冷ましは与えなくて良いといわれています。粉ミルクも進歩し、タンパク質やミネラルの濃度も母乳により近い状態になったため、湯冷ましで薄める必要がなくなりました。逆に必要以上の湯冷ましを与えてしまうと、ミルクや母乳を飲まなくなってしまう可能性もあり、湯冷ましの量やタイミングを見計らうことも必要です。
親世代と娘世代の考え方をすり合わせることも大切
現代育児をしている女性の母親世代は、湯冷ましを赤ちゃんに与えなければならないと思っていることも少なくないため、育児の仕方でお互いに譲れない部分が出てくる可能性もあります。育児中の母親は、時にはイライラするかもしれませんが、昔と現代の両方の教えを尊重したうえでより良い育児に歩み寄る意識を持ちたいものです。
おわりに
いかがでしたか?赤ちゃんにとって食べたり飲んだりすることは、生きていくために非常に大切なことです。赤ちゃんはまだ無力ですから、湯冷ましに対しても正しい知識と理解を吸収し、日々育児にいそしんでいきたいものですね。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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