日常で教えるきっかけと手段
子どもは、幼いころから男女の体の仕組みを意識しています。おしっこをするとき、男の子は立って女の子は座るということから、なぜかな?と疑問を抱くようです。赤ちゃんがどうして生まれてくるのか、質問する子どももいます。こうした質問の機会をとらえて、性教育のきっかけにすると、自然な流れで話をすることができます。
マンガや絵本が効果的
低学年の子どもには、絵本の読み聞かせも効果的です。海外の翻訳絵本には、男性器、女性器の名称がはっきり出てきたり、性交についても描写があったりするものもあります。自分が読んでみて、自然に話ができる内容のものを選ぶとよいでしょう。ほかの絵本と同じように、本棚に入れておくだけでもかまいません。子どもに聞かれたら、恥ずかしがらずに答えてあげてください。高学年になると、恥ずかしさが先に立って親と話しづらいことがあります。思春期の性を解説したマンガは、手に取りやすく読みやすいでしょう。「こんなのがあったけど読んでみる?お母さんも読んだよ」と渡してあげるのがよいと思います。
ニュースを題材に
家族でテレビを見ていると、性被害についてのニュースや、生殖医療についてのニュースが目に入ることがあります。性に関しては第三者の問題を話題にすると、お互いに話しやすく、会話のきっかけになります。性教育は、男の子には男親が、女の子には女親がすべきと言う考え方もありますが、両性の立場からの意見や考え方を学ぶことも大切です。家族で話す機会を見逃さないで、対話を試みてください。親同士でも異なった見解が出てくるかもしれません。LGBTの話題などは、性の多様性と他者を尊重する姿勢を学ぶチャンスです。小学生には難しい話題はなるべく優しい言葉で説明し、恐怖感・嫌悪感を植え付けないような配慮も必要です。
おわりに
「性教育」と聞いて思い浮かべることが、性交や避妊の方法だとしたら、それはごく一面的な見方であるとしか言えません。こうした知識は、確かに中高生になってから学んでも遅くはないでしょう。しかし、自分の体を知ること、他者を尊重すること、性に関してポジティブなイメージを持つことは、小学生時代から必要なことです。インターネットで性的な情報が簡単に手に入る時代だからこそ、正しく愛情のともなった性教育が重要なのです。
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