【保育監修】ひっかいたり、つねったりは当たり前?保育園でおこる年齢別子どものトラブル集

保育記事監修者プロフィール:伊藤 先生のイラスト 伊藤美緒先生

保育士。学生時代に児童心理学を学び、幼少期の関わりがその後の人生を左右することに強い関心を持ち、自身の研究テーマとする。

3児の母で、長女の小受では全勝を果たす。現在6年目となる保育現場や幼児教室で本領発揮し、周囲から絶大なる信頼を得ている。

生活教育こどもと幼児園 http://kodomoto.tokyo/

2人の男の子

子どもの成長スピードには個人差があり、うまく自分の気持ちを言葉にできる子どもがいる一方で、うまく伝えられずそれが「つねる、たたく」という形で現れてしまう子どももいます。しかし、それも成長の過程の一段階で本人に悪気があるわけではありません。そこで、保育園でありがちなトラブルとその年齢の主な成長の過程を年齢別にまとめてみました。

やっとよちよち歩き始めた1歳児は

1歳くらいの男の子

わが子が痛い目に合わされたりするのはつらいものがありますが、それも長い目で見れば一過性のものなんです。下手をすると次回は逆の立場になることも十分に考えられます。善悪の判断のつかない1歳児ではよくある成長の過程として見守ることが大切です。

かわいい盛り!遅生まれ早生まれの差が大きいとき

1歳前後で歩き始め、自分の世界が広がると徐々に自己主張がでてきます。ほかの子の持つものを欲しがる時期でもあります。その場合相手の存在を気にせず持っているものだけに集中することになり、そこでものの取り合いがおこります。

これはもう本人にとってはよい悪いではなく、自分だけの世界を他者に向けるという行動から来ています。それによりおもちゃを取られた相手が泣き出しても怒っても「どうしたんだろう?」ぐらいにしか感じていません。

手よりも先に発達する口でついかんでしまう

取られた方は「嫌だ、やめて」という感情を言葉にして伝えることができないので、言葉の代わりにかみついたりひっかいたりします。小さいうちは手足よりもまず発達の早い口が先にでてしまうことが多いんです。

そういえば小さい頃おもちゃを何でも口に入れて確かめていましたよね。家庭では親と子どもがおもちゃの取り合いをしないのでかんだりしませんが、保育園でそういう状況になったときには、相手をかんでしまうこともありえます。

善悪の判断のつかないうちはお互いさま

1歳児クラスであれば複数の担任がつきます。普段はけがのないように見守っていますが、人の手が足りないなど、他の子のお世話で手が離せないこともあります。ときとして間に合わないこともあり、かまれたりひっかかれたりしてしまうこともあります。

しかし、自分の子どもにも原因があるかもしれないし、同じような状況になったときに、わが子が他の子をかんだり、ひっかいたりということは今後絶対にないとはいえません。お互いさまでやり過ごすことが一番だと思います。

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周りの世界が見え始めてくる2歳

ドームで遊ぶ女の子

この頃になると自分だけの「一人遊び」の世界から友だちの存在を認識し始め、友だちと関わるのが楽しくなってきます。少しずつ言葉もで始め、会話でコミュニケーションを取ろうとしますが、まだまだ上手にしゃべることができないため、すぐトラブルになりがちです。

最初に否定せずいったんは気持ちを受け止める

この頃はまだ貸し借りという意味がわからず、おもちゃの取り合いになることも多いです。そのときにもかみついたりひっかいたりとかんしゃくを起こしたりという行動にでる子もいますが、たいていはそうなる前に先生が気づき仲立ちをしてくれます。

そこでお互いの気持ちを言葉に出して「○○ちゃんは、こうされたから嫌だったんだね。」といったんはその子の気持ちを受け止め、「でもかんだりひっかいたりしたら痛いよね。」ということを伝えます。

知っていてもいわないのが思いやり

くっきりと歯型がついたわが子の腕を見るのは忍びないものですが、園側は誰がやったかということをいわないようにしているところも多いです。伝えたところでママ同士がギクシャクするのも避けたいし、次は自分の子どもがかんでしまうかもしれないからです。

そうなったときにお互いが気まずい思いをすることにもなってしまいます。先生方は「止めるのが間に合わずすみません」といいますが、普段の忙しい様子を見ていれば、そこで怒っても仕方ありません。

社会のルールがわかりかけてきた3歳児

言葉も増え、貸し借りや順番待ちもできるようになり、ようやくルールのある遊びができるようになってくる頃です。勝ち負けの概念がわかり、負けると泣いて悔しがったりします。そのためのけんかもありますが、その頃にはかんだりひっかいたりということではなく、押したり突き飛ばしたりというような行動も見られるようになります。

言って聞かせれば理解できる年齢

この頃になってもまだ4月生まれと3月生まれの体格差と、できることとできないことの差はまだ大きく、同じ年齢のクラスでも、大きい組、小さい組などと分けて呼ばれたりします。その差を理解できる子は、小さい子たちの面倒を見ようとします。

体格差があるとぶつかったり押したりするのは危険なので、先生は子どもたちの動きから目を離さないようにしていますが、言葉と同時に手がでてしまうようなときには間に合わないことがあります。

一生懸命考えて訴える姿がかわいい

お友だちとトラブルになったときは、先生はお互いの言い分を平等に聞いて、「貸してっていったのにおもちゃを貸してくれないから怒っちゃったんだね。どうして貸してあげられなかったの?」、「遊びたかったから。ずっと。それで。」「じゃあ仕方ないね。でも、二人で遊んだらもっと楽しいんじゃない?」と具体例を示してくれます。

そんな経験の積み重ねで、相手に対してかんだりつねったりひっかいたりということはなくなってくるでしょう。

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