親子間のダブルバインドを避ける方法
日常でよく起こりがちなダブルバインドですが、特に親が子どもを叱るときや、他の子どもと比較したときなどに起こりやすいともいわれています。では、子どもをダブルバインドで、子どもを追い詰めてしまわないためには、どのようにすれば良いのでしょうか?
子どもの気持ちに共感して受け止める
子どもが否定したいような行動を取ったとしても、一度は子どもの気持ちを受け入れてあげるようにすることが大切です。例えば、遊びに夢中になって帰りたがらない子どもには、「まだ遊びたいんだね」と、子どもの気持ちに寄り添ってあげましょう。そのうえで「帰ったらママと遊ぼうね」など、子どもが楽しいと思うことを伝えてあげてください。
そのような方法を取ることで、子どもは自分の気持ちを伝えてくれるようになります。子どものいうことを頭ごなしに否定しないよう、日頃から注意することが大切です。
してほしいことをシンプルな言葉で伝える
小さな子どもには、親の言葉の裏にある感情を読み取る能力は、備わっていません。そのため、子どもでも分かるような話し方を心がけましょう。例えば「片付けをしてね」「走り回らないでね」などシンプルで分かりやすい言葉で伝えることが大切です。
また、子どもが混乱しないように、「次に使う人が困るから片付けをしてね」というように、理由や説明をつけたり、「この三つの中から好きなものを選んでいいよ」など、あらかじめ条件づけをしておいたりすることも重要なポイントです。
感情的にならず、子どもを信じる
ダブルバインドの多くは、親の心に余裕がないことに原因がある場合がほとんどです。ですが、子どもにはそれぞれのペースがありますから、親の思うように行動してくれないのは当たり前のことだといえます。
ダブルバインドのような脅しによって、子どもをコントロールしようとすることは、しつけではなく支配になってしまいます。決して感情的にならず、一呼吸おいて、落ち着いた状態で子どもと話すように心がけましょう。また、「親だから」と頑張るのではなく、自分の子どもを信頼し、時にはやさしく見守ることも大切な子育てなのです。
おわりに
知らず知らずのうちに、子どもの心を支配してしまっているかもしれないダブルバインドですが、少し言い方に気をつけるだけで、子どもとの信頼関係は格段にアップします。これを機に、いま一度、自身の日常的な発言を見直してみてはいかがでしょうか?
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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