貧血は大人だけでなく子どもにも起こりやすい病気です。毎日の食事に注意して鉄分を摂取することで防ぐことができる病気でもあります。なぜ鉄分不足になりやすいのか、子どもが貧血になるとどのような症状が出てしまうのか、また、調理や献立にどのような工夫をすることで鉄分の摂取量を増やすことができるのかをお伝えします。
鉄分不足による貧血は大人だけの病気じゃない
鉄分不足による貧血と聞くと、多くの人は大人の女性の病気というイメージがうかびますよね。女性には生理もありますし、妊娠出産により、血液を子どもに分け与えるからです。しかし実は、成長期の子どもも、鉄分を多く必要とするのです。
一日に必要な鉄分量
一日あたりの、鉄の食事摂取基準が厚生労働省より発表されています。
この表によると、月経のある女性、妊産婦、授乳期の女性に加算があり、必要量が多いのが分かります。
しかし、その女性特有の加算を除くと、推定必要量が最も多いとされているのは、男女どちらも12~14歳であることが分かります。
鉄分は気を付けていても不足しやすい
貧血の解消のためには、病院で処方される鉄剤を服用する方法がありますが、副作用が強く出ることで知られています。鉄欠乏にならないためには、食品から必要な鉄分をしっかりとることが望ましいのですが、それでは不足してしまうことが多いのです。
例えば、12~14歳の男子の推奨摂取量は11.0mg/1日、12~14歳で月経のある女子の場合は、14.0mg/1日。
鉄分が多いとされている食材を使って、一食分で摂取できる鉄分は
- ほうれん草のおひたし1人分(50g)1.0mg
- 豚レバー4切れ(50g)6.5mg
- しじみ(20g)2.0mg
子どもに毎日食べさせるのは難しいメニューばかりですね。また、鉄は吸収がとても悪い栄養素です。食事からとった鉄分をすべて吸収することができないため、鉄分不足になりやすいのです。
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育ち盛りに鉄分が足りないとどんな体調不良が起こる?
鉄は、体内で赤血球の材料となります。そして、鉄でできた赤血球は、全身の細胞へ酸素を運搬するのが仕事です。鉄を摂取することで赤血球がつくられ、体内血液量が増えます。成長期の子どもは、体中の細胞を活性化させて体を成長させていきます。また、部活などでスポーツをしている場合、さらに鉄分をとることが望ましいとされています。その大切な時期に鉄分が足りないとどうなってしまうのかを、ご紹介します。
貧血の初期症状
初期貧血の場合、だんだん顔色が悪くなっていきます。しかし、毎日顔を合わせている家族では変化に気づきにくいため、顔色から貧血に気が付くのはなかなか難しいことです。
貧血が進むと…
貧血が進んでいくと、体が疲れやすくなってきます。今までより活発に遊ばなくなったり、今までと同じ活動でも、息切れや動悸(どうき)が起こりやすくなったります。
乳幼児の鉄欠乏性貧血の場合
一年で大幅に発達成長する乳幼児期の場合、鉄欠乏による貧血は、子どもの心身ともに発達を阻害して、発達や知能に影響を与えてしまいます。
思春期の鉄欠乏性貧血の場合
心身にさまざまな症状が現れます。
- 運動能力や学業成績の低下
- 落ち着きのなさ
- 集中力の低下
- むずむず脚症候群
- 氷食症
部活や学業など忙しく動かなくてはいけない思春期に貧血になることは、子どもの生活に大きく影響してしまうことが分かりますね。
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40代前半。15年間の義両親同居のモラハラ生活を経て離婚、現在は15歳の長男と10歳の次男と3人で暮らしています。子どもたちにはそれぞれ特徴のちがう発達障害があります。離婚後、保育士資格を取得し、いかに自立していくかを模索中です。
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