スクールハラスメントの被害にあったら
子どもがスクールハラスメントの被害にあったら、保護者はどのように対応すべきでしょうか。深刻な被害にいたる前の、子ども同士の「いじめ」と言えるかどうか微妙なレベルのからかい、教師による暴言や大声での叱責など、どこに相談を持ちかけていいのか悩む事例は多いでしょう。いじめや虐待の前段階ともいえるハラスメントでは、まずは子どもの気持ちによりそうことを大事にしてください。
子どもの気持ちを受け止める
子どもは、親に心配をかけまいとしてハラスメントについて話をしないことがあります。また、低学年の子どもは、「なんだかいやだった」というもやもやした気持ちをうまく言葉にできないこともあります。それをふまえて、保護者はまず、子どもの訴えを全面的に受け止めてあげてください。「本当?」「気のせいじゃないの?」など、子どもの話を疑うような相づちは厳禁です。「そんなことがあったの、いやだったね」と共感し、対策を練りましょう。「先生に話してあげようか?」と言うと、「言わなくていい」という子どもがほとんどだと思います。話すことで安心したのと、先生や友達が怖いという理由の両方が考えられますので、気持ちを受け止めたあとも経過をよく観察することが大切です。
スクールカウンセラーに相談を
ハラスメントの当事者が教師だった場合は、誰に相談すればいいのか、わからなくなってしまうでしょう。そうした場合は、スクールカウンセラー制度を利用することをおすすめします。スクールカウンセラーには守秘義務があり、必要がない場合は、相談内容は教師にも開示されません。第三者的立場ですので、相談もしやすいでしょう。スクールカウンセラー制度がない場合は、子どもが信頼している教師か、教頭、校長先生といった管理職の先生にコンタクトをとります。その際、いつ、どのようなハラスメントがあったのか、メモを用意していくとスムーズです。
おわりに
スクールハラスメントという言葉には、少し軽い印象があります。しかし、実態は「いじめ」や「虐待」につながる行為です。嫌いなあだ名で呼ばれる、同じことをしていても自分だけが注意を受ける、といったこともハラスメントのひとつです。「気にしすぎ」という世間の言葉は無視してください。悪意はなく、ただ配慮が足りないだけでハラスメントをおこなっている場合もあります。まずは声をあげて、お互いの理解を深めることがハラスメント防止の第一歩です。
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