「食育」の効果・重要性・注意点まとめ

食育とは、2005年に施行された食育基本法を元に、国民一人一人が食に関するさまざまな経験を通じ、健康な心身や豊かな人間性を育むための取り組みのことです。食に関する正しい知識を身に付けることは生きる力を身に付けることであり、子どもの頃から学ぶことが大切です。ではその「食育」の効果・重要性・注意点にはどんなものがあるのかをそれぞれ説明していきます。

子どもの「食育」がもたらす効果とは

現代の子どもを取り巻く「食」の環境は、親など周囲の大人の影響もあり、朝食など食事を抜く「欠食」や一人で食事をする「個食」など、さまざまな問題を抱えています。食についての問題に対し、国民全体の意識を高め、改善しようとしていく取り組みが「食育」です。現在では子どもの教育の一環として「食育」を行う保育所が増えています。実際に「食育」が子どもにどんな効果をもたらすのかを見ていきましょう。

食材に関するさまざまな知識を学べる

毎日の食事で使われる食材が「誰によって」「どこで」「どんなふうに」作られたかを知ることで、ただ目の前に出されたものを食べるだけではなく、自然の恵みや生産者に感謝し、地域の特産品を知って「地産地消」の考え方を学びます。また実際に野菜作りや収穫、調理を経験することによって「食」をより深く身近に感じられるようになります。

安心安全な食品を選ぶ力が身に付く

スーパーやコンビニなどで売られている食品のラベルには、賞味期限やアレルギー表示、食品添加物などさまざまな情報が表示してあります。それらの意味を知ることで、自分にとってより安心安全な食品を選ぶ知識を得られます。また見た目や匂いなどから傷んだものを見分けたり、食べる前の手洗いなど衛生面に気を付けたりすることで、食中毒を防ぐ方法を学びます。

正しい食事のマナーや食文化を学べる

「いただきます」「ごちそうさま」をきちんと言える、口を閉じてしっかりかんで食べる、食べ物で遊んだりふざけたりしないなど、一緒に食べる人を不快にしないためのマナーを身に付けます。また正しいお箸やおわんの持ち方なども学べます。そして「おせち料理」や「七草がゆ」などの行事食や、各地域に伝わる郷土料理を知ることで、日本の豊かな食文化を継承することも期待できるでしょう。

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子どもにとっての食育の重要性とは

食べることは成長過程の子どもにとって大変重要なことです。朝・昼・晩の食事をきちんとバランスよくとり、おやつも適切にとることでバランスを整えます。そのためには親もしっかり食育の意義を理解し、実践することが大切です。

朝食をきちんととる大切さを知る

核家族や共働きの親が増えている今、朝食を欠食する子が増えています。朝は脳のエネルギー源であるブドウ糖が不足しており、朝食をしっかり食べないと、ボーっとした状態のまま午前中を過ごすことになります。たとえ忙しくても親がしっかり朝食を準備し、子どもに食べる習慣を付けさせることが大切です。また親自身も朝食をきちんととり、良い1日のスタートを切るようにしましょう。

食事によってコミュニケーション能力を高める

前述のような状況から、家で食事を一人だけ、または兄弟姉妹だけで食べる家庭も増えています。夕食時に家族がそろって一緒に食卓を囲むことで、子どもが食事を楽しいと感じ、情緒の発達や安定にもつながります。また一緒に料理をしたり、後片付けを手伝ったりするなどの行為を通してより深く家族とのつながりを感じることができます。家庭外でも人と一緒に食事をすることにより、子どものコミュニケーション能力は高まります。

自分で調理をすることで待つことや辛抱強さを学ぶ

調理にはさまざまな工程があり、コンビニやスーパーで買ってきた調理済み食品を温めただけで食べられるような手軽さはありません。調理器具の扱い方や調理法を学び、実践することで辛抱強さや待てる心を養い、さらに食材を余すことなく効率的に使う工夫をすることにより、資源を大切に使いゴミを少なくしようという気持ちが生まれます。また手作りの楽しさや出来上がった料理を味わう喜びなどを経験します。

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