「赤ちゃんは泣くのが仕事」とよくいわれますが、それは自分の要求を伝える手段が「泣くこと」しかないからです。おなかがすいた、おむつがぬれた、暑い、寒い、などなど、赤ちゃんにも伝えたいことはいっぱい。でも、それがなかなかわからなくて困っているママは多いのでは?いま、そんなママたちをサポートする「ベビーサイン」が人気です。今回は、ベビーサインの内容や、メリット・デメリットについてご紹介します。
子育てママに人気!ベビーサインって何?
ベビーサインは、1990年代にアメリカで考えられた、赤ちゃんとコミュニケーションする手段です。赤ちゃんはまだ言葉を話せませんから、ジェスチャーで意思の疎通をはかります。2000年代に日本でNPO法人日本ベビーサイン協会が設立され、ベビーサインの普及活動を行っています。
0~2歳児とのコミュニケーション
ベビーサインの基本は、手話を取り入れた身ぶり手ぶりのジェスチャーです。言葉を話せない乳幼児、0~2歳児とのコミュニケーションに用いられます。「おなかがすいた」「おしっこ」「いらない」など、伝えたいことに応じて、決まったサインがあります。とはいえ、あまり難しく考えることはありません。大人が赤ちゃんに「ちょうだい」といいながら手を出して物を渡してもらうことや、「どこが痛いの?」とたずねて赤ちゃんがおなかを押さえるといったことは、日常生活でよく見られる光景ではないでしょうか。こうしたジェスチャーを使ったコミュニケーションを体系的に整理し、使いやすくした物がベビーサインです。
各地で教室も開催!オリジナルもOK
日本で設立された、NPO法人日本ベビーサイン協会は、各地で教室を開催してベビーサインの普及活動を行っています。もともとベビーサインは、アメリカの児童心理学者が国の助成を受け、乳幼児の自己表現を研究した中で考えられた物です。協会は、開発者の認可を受けており、講師の育成にも力をいれています。子育てママが集まる大型のショッピングモールなどで開かれていることが多いので、興味がある方はチェックしてみてください。協会が教えてくれるサインを学ぶこともいいのですが、親子の間でオリジナルのサインを考えても面白いでしょう。家族だけに通じるサインは秘密の呪文のような物で、大きくなって思い出して使ってみたりするのも楽しいです。
手話とベビーサインの関係
ベビーサインには、手話が多く取り入れられています。手話は、聴覚障害のある方が使用する言語です。物の名前や、感情、感覚を表す単語にひとつひとつの手話(サイン)があります。しかし、手話はただ単に手を動かすだけで意思の疎通をはかる物ではありません。顔の表情、手の動きの大きさ、身体全体の動きが、多くの情報を伝えます。同じように、ベビーサインもただ動きを覚えてみせるだけではなく、「気持ちを伝えたい」というコミュニケーションの欲求があってこそ成り立つ物だといえます。
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ベビーサインのメリット
子育て中のママに人気のベビーサインには、さまざまなメリットがあると考えられています。実際にベビーサインを覚えて育児に利用しているママの中には、「子育てが楽しくなった」と喜んでいる方が多いようです。メリットの中でも、代表的な物をご紹介します。
赤ちゃんとの意思疎通が容易になる
赤ちゃんが言葉を話すようになる時期には、個人差があります。2歳を過ぎるまで話さない子もいますので、長くて3年間は自分の欲求や気持ちを言葉で表すのは難しい状況が続くといえるでしょう。言葉を話すということは、口や舌など、発声器官が未熟なうちは難しいことなのです。それよりも、身ぶり手ぶりを使ったジェスチャーの方が簡単です。赤ちゃんがサインを覚えれば、言葉を使うよりも容易に意思疎通ができるようになります。「うなずく」「首を振る」といったサインは、肯定否定の表現としてよく知られたサインですね。このような一般的で簡単なサインを使ってもらうだけでも、ママのストレスは軽減されるでしょう。「もっとほしい」「眠い」などのより踏み込んだサインが使えれば、赤ちゃんの要求にしっかり応えてあげることができ、ママも赤ちゃんも気分よく過ごせます。
パパの育児参加が楽しくなる
パパから見ると、赤ちゃんとママの間には、持って生まれた深い絆があるように感じられるようです。パパが感じる疎外感が育児離れを生み、育児は母親に任せようという風潮を生んでしまいます。ところが、ベビーサインを覚えることでパパの育児参加が格段に楽しくなるといいます。カンや感覚に頼らなくてもよい育児はわかりやすく、積極的にかかわろうという意欲を後押しします。ママと赤ちゃんとの関係に仲間入りしやすくなるのです。
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子どもたちも大学生になり、自分の子育てはひと段落。保育士として、地域のコーディネーターとして、子育て支援・子ども支援にかかわっています。ゆる~く子育て楽しみましょう!
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