妊娠すると、妊娠前とはまた違った栄養の取り方が必要になってきます。また、単純に、「2人分の栄養」を得なくてはいけなくなるわけですから、いろいろな栄養分をとらなければなりません。今回はその栄養素のなかから、「ビタミンE」を取り上げてご紹介いたします!
ビタミンEが妊娠に及ぼすプラスの影響
ビタミンEを摂取することは、「妊娠や出産」においてとても大きな意味があると言われています。妊娠と非常に強い関わりのある栄養素であると着目されており、不妊症の治療にも使われています。
ビタミンEを摂取することは、フリーラジカルの発生を抑えることができます。フリーラジカルはしばしば「活性酵素」と混合して使われる用語ですが、実は同じものではありません。活性酵素のうちの何種類かがフリーラジカルに分類される、というだけの話です。フリーラジカルはがんを引き起こしたり、DNAや遺伝子にダメージを与えたりします。
老化が起きるのも、このフリーラジカルのせいだと言われています。胎児が健康的に育つためには、このフリーラジカルから身を守る必要があります。そんなときに活躍するのが、ビタミンEなのです。
また、ビタミンEは、胎児へ送る酸素の量を増やしてくれるといった効果もあります。女性ホルモンの分泌を促したり、流産しにくくなったりする作用がある、と見る向きもあります。そのため、妊娠をしたいと考える人や妊娠初期の人にとって、ビタミンEは非常に大きな意味を持つのです。
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ビタミンEがもたらすマイナスの影響
ただし、ビタミンEは「摂取すればするほどよい」というものではありません。これについては、武庫皮女子大(自然科学)で今村友美氏らによって出された、「ビタミンE摂取量が母体の健康状態と胎児の発育に及ぼす影響について~実験動物を用いての検討~」に詳しく書かれています。
これはマウスを使った実験であり、えさに含まれるビタミンEの量によって起こる変化を記録したものです。特に「ビタミンEの過剰摂取によって何が起きるのか」ということを見ていったものです。
ビタミンEの摂取量をかえたとしても、血中脂質の量や血色素量には何も変化は見られませんでした。しかしビタミンEをとりすぎた層は、ビタミンEをとらなさすぎた層と同様に胎児の発育不良が起こった、としています。
これの原因についてはまだはっきりとはしていない、ということですが、「ビタミンEの過剰摂取によって、胎児の成長が異常なものになる可能性が否定しきれない」と結論付けています。
ただし、「ビタミンEを過剰摂取したとしても、それによって何らかの異常やトラブルが起きることはない」という見方をしている医師もいます。そのため、「ビタミンEを過剰摂取すると、必ず胎児に異常が起こる」と言い切るのもまた乱暴な話だと言えるのです。
出典:http://libir.mukogawa-u.ac.jp/dspace/bitstream/10471/486/1/P089-094.pdf
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