少子化と聞くと子どもが減少し続けるといったイメージをする方は多いと思いますが、これによって子どもたちが大人になったときに起こりうる問題について考えたことはありますか?そこで今回は、日本の少子化の現状と少子化がもたらすさまざまな問題点についてまとめてみました。意外と深刻な少子化問題、気になる方はぜひ参考にしてみてくださいね。
日本の少子化とその現状について
少子化とは、低い出生率が続くことを意味します。1992年の「平成4年版国民生活白書」によって「少子」という言葉が広まりましたが、2005年には統計を取って以来最低の出生率を記録したのです。少子化による日本の現状を以下にまとめました。
出生数と合計特殊出産率の変化とは
1947〜1949年まで続いた第1次ベビーブーム期の年間出生数は約270万人にも及びましたが、1971〜1974年の第2次ベビーブーム期には約210万人という結果でした。その後減少を続け2013年には年間出生数は約100万人と、およそ30年で半減してしまったのです。1人あたり2・07人出産すると人口の増減がないとされていますが、合計特殊出産率をみると現在の平均は1人あたり1・43人しか出産していないということになります。
経済的理由による未婚率の増加が少子化の要因に
2015年に行われた総務省「国勢調査」によると女性よりも男性の未婚率が高く、また年々40歳以上の未婚率が高くなっています。内閣府が行った「家族と地域における子育てに関する意識調査」において、男性の「経済的に余裕がないから」という回答や、女性の「希望の条件を満たす相手にめぐり合わないから」という未婚理由が明らかになり、経済的理由も未婚と大きく関係していると言えるでしょう。
晩婚化と晩産化も少子化を促す要因です
現代では結婚年齢が高くなる「晩婚化」が進行し、その結果出生時の年齢が高まる「晩産化」を引き起こしています。晩婚化や晩産化は決して悪いことではないのですが、高年齢で子どもを出産するということはリスクも高まり、理想とする子ども数を出産することも困難になりやすいのです。晩婚化や晩産化は少子化に関係性があると言えるでしょう。
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自分の子どもが大人のなったときの問題とは
人口構成はそのままに総人口が減少するのであればそこまで大きな問題はありません。しかし、子どもが減り続け、高齢者が増加するのであれば、就労者の割合が低下することになります。そうなることによって以下のデメリットが生じます。
人口減少によって国力の低下が生じる
現在の日本の人口は、世界で10番目に位置していますが、現在と同じ水準で人口数が推移すると仮定した場合は、2050年には世界で16位まで転落してしまいます。1980年代に高度な経済力があった背景には若年層による高い労働力が関係していると考えられますが、人口が減少することで軍事力や経済力などといった国力の低下が見られるでしょう。
少子高齢化が進むと負担が増える
日本は合計特殊出産率の推計値をみると、高齢者の数は増加し続けるのに対し、子どもの数は今よりもっと減少が進むと予想されています。1950年には高齢者1人に対し現役世代が10人であったのに対し、2015年には2.1人でした。少子高齢化がこのまま進行してしまうと、2060年には1.2人とさらに減少してしまうのです。たった一人で高齢者一人の面倒を見なくてはならないということになります。
稼いだ額の約半分が国民負担率に!?
国全体の収入「国民所得」に対し、税金や健康保険料といった負担がどれくらいなのかを表した「国民負担率」が、少子高齢化に伴い急激に増加し、2015年においては過去最高を記録しました。ただし、2004年の年金改革により、2017年度までは厚生年金の保険料値上がりが続きますが、国民負担率がこれ以上上昇しないようにするため、これ以上は引き上げずに固定する方針です。しかし、これまでの統計をみていくと、近い将来、国民負担率が50%に達してしまうのではないかといった心配もありますね。
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1歳の息子がいるシングルマザーです。最近は息子とのお菓子作りにはまっています。
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