「ママ閉店」はどうして炎上した?
「ママ閉店」というワードがこれほどまでに賛否両論を生んだ原因とは、いったいどのようなところにあるのでしょうか。実はそこには、私たち日本人の心の中に古くから根付く思想や、周囲の環境に原因があったのです。「ママ閉店」が炎上した理由について考えていきましょう。
共感する人が多いからこそ炎上する
子育てにおける女性の役割は今も昔も負担が大きく、いくら男女平等が叫ばれていてもなかなかそうはいかないもの。現代の家族の形がワンオペ育児になりがちなことや、親戚などと交流の少ない核家族化など、子育て世代を取り巻く環境は厳しい面が多く、子どものいる毎日が明るく楽しいことばかりというわけにはいかないということが現実です。「ママ閉店」は、金銭報酬が発生せず、成果が目に見えない子育てに苦しむお母さんの気持ちを理解した、ツイート主への称賛の気持ちや共感が賛成意見に、理性や社会道徳を大切にする人や、子どもの人格形成に関わる影響を心配する人たちの気持ちが反対意見として多く集まっているのかもしれません。
子育てを体験した人や現在子育て中の人、自身が子どもとして育てられた経験から生じる思いは人それぞれ。家庭環境や家族構成、家族や親戚との関わり方など、一人一人が全く異なるバックグラウンドを持ち、そこ生まれる発想が交錯したからこそ、さまざまな議論が飛び交うのです。
日本人に根強い思想がさらなる炎上を生んだ可能性も
「ママ閉店」について多くの議論が交わされ続けているということは、まだまだ日本では男尊女卑の思想が根強いという表れかもしれません。日本では、いくら夫婦共働きの家庭が多くなったとはいえ「男性は外で仕事、女性は家庭」という考えをきれいさっぱり消し去ることはできず、20代など若い世代の男性でも結婚後は家庭に入ってほしいと願う人が少なからず存在します。
お母さんが育児を休むことは「甘え」であり、男女問わず「母親たるもの、家事も育児も仕事もきちんとこなすこと」が理想像としてインプットされているので、仕事放棄ともとれる「ママ閉店」には大きな抵抗を覚えるのです。ですから、例えば、これが「パパ閉店」だとすれば、これほどまでにセンセーショナルな話題とはなっていなかったでしょう。私たち日本人が思い描く男女の役割や力関係は、時代が進むとともに柔軟に進化しているようで、実はほとんど変わっていないのです。
おわりに
「ママ閉店」が注目された理由には、多くの人に共感する部分があったからだと言えるでしょう。多くの議論がなされているものの、子育ての方法に正解はなく、どういう大人が正しいかという「模範解答」も存在しません。人類の長い歴史上で、子育てについて、いまだ答えが見つかっていないのです。家庭が円満になり、親子共に毎日を心地よく過ごすことができるようになるためのルールとして「ママ閉店」取り入れることは、家族の、心身の健康のために有効なことかもしれません。
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30台後半、中学生と小学生の子育て中です。
平日はライター業、週末はウェディングMCとして、実質週7フル稼働中。
「言葉よりも姿勢を見せる」をモットーに、母親の一生懸命さから何かを学んでくれればなぁと期待していますが、なかなかうまくいかないものですね。そんな時は、コストコ、イケアでのショッピングと、たまのエステでストレス発散! しています。笑
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