子どもの死を乗り越える「グリーフケア」
わが子を失うことは、人にとって大きなストレスになります。鬱(うつ)状態に陥ってしまう人は少なくありません。しかし、喪失を乗り越えるための作法「グリーフケア」について知識を持っていると、自分の心の状態を客観的に把握することができます。
男女で悲しみの表現は異なる
親しい人の死を乗り越えるにあたり、人はいくつかの段階を経ていきます。多くは、否定、怒り、取引、抑うつ、受容という5段階だといわれています。どの段階から始まるかは決まっていませんし、必ずこの道筋をたどるとも限りません。また、悲しみの表現は男女で異なると考えられています。そのため、子どもの死後に夫婦間の感情のすれ違いが起こりがちです。見え方はちがっても、同じ悲しみの中にいることを忘れず、お互いへの思いやりを持たなくてはなりません。残された兄弟姉妹のケアも重要です。
悲しみの期間は人それぞれ
悲しみの期間は、人それぞれです。深い喪失感から立ち直るには、一般的に長い時間が必要です。その道のりはけして順調ではなく、もう大丈夫と思っても、思わぬときに悲しみがあふれ出ることもあります。「いつまでも悲しんでいると亡くなった子どもがかわいそうだ」と激励しようとする人もいますが、気にする必要はありません。心からそう思える日がくるまで、悲しみを抱いていてもかまわないのです。親は子どもの死について罪悪感を持ち、自分を責めます。どうしようもない場合でも、罪悪感を持たずにはいられません。負の感情から逃れるには、時間が必要です。周囲の人も、辛抱強く見守ってあげてください。
おわりに
多くの場合、子どもの死は突然で、理解しがたいものです。出産前に死産や流産で亡くなる子どももいます。悲しみを乗り越えるには時間と、周囲の温かな配慮が不可欠です。一番身近なパートナーとのすれ違いは、より大きな喪失感を生みます。つらいときこそ、夫婦間のコミュニケーションを大切にしてください。
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子どもたちも大学生になり、自分の子育てはひと段落。保育士として、地域のコーディネーターとして、子育て支援・子ども支援にかかわっています。ゆる~く子育て楽しみましょう!
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