出産したママが、育児の不安やストレスなどによって、心と体が不安定な状態になってしまう「産後うつ」の予防のため、2017年度から厚生労働省が検診費用を助成することになっています。早めに不調のサインを見つけ、適切なケアが受けられるようにサポートすることが狙いです。今回は約10~15%のママが経験するといわれる産後うつについて、詳しくご説明します。
出産後にかかる「産後うつ」ってなに?
産後のママはうつ病になりやすく、10人に1人くらいの割合で経験するといわれています。産後うつは病気であり、その症状は軽度から重度まで、ママによってさまざまです。症状が重かったり長引いたりする場合は、そのままにしておくととても危険です。
産後うつの原因とかかりやすい人
妊娠中活発に分泌されていた女性ホルモンが、出産後急激に減ることによって心身が不安定になることや、24時間赤ちゃんと共に過ごす生活に変わり、それに伴う睡眠不足、家事や育児が思うようにいかなくなることに加え、誰にも協力してもらえないことなどが原因として挙げられます。責任感が強かったり完璧主義だったり、真面目で努力家なママほど、産後うつにかかりやすい傾向がみられます。
産後うつにかかりやすい時期や期間は?
産後うつを発症する時期や、治るまでの期間には個人差があります。多くの場合、出産して2~3週間後から始まりますが、3~4カ月ほど後から症状が出てくるママもいるようです。治るまでに短ければ1カ月くらい、長ければ産後1~2年たっても症状が出る場合があります。軽度であれば短期間で自然に治る可能性もありますが、重度になるほど治療期間は長引くかもしれません。
産後うつはどんな症状が出るの?
気持ちが落ち込んでしまうことの他に、今までどおりに家事ができない、献立が考えられないなど、物事にうまく対応できなくなることが最も多いようです。食欲や性欲がなくなり、疲れていても眠れなくなったり、育児にこだわり過ぎて自分を追い込み、良くないことをすべて自分のせいにしてしまったり。おしゃれだったママが身なりに気を遣わなくなった、気分転換をする気にもならなくなったときなどは、重症化している恐れがあります。
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治療が必要?産後うつかな?と思ったとき
産後うつは「うつ病」の一種です。病気であるため適切な治療を受けることが必要です。症状が軽いほど、発症期間が短いほど、他への影響が出ることを防げます。できるだけ早めに治療を始めることがとても大事なのです。
まずは病院へ!どんなことでも相談してみましょう
治療法は症状によって違いがあるので、心療内科や精神科で相談してみましょう。軽いときはカウンセラーに話を聞いてもらうだけでも楽になる場合があります。症状が重いときは、薬による治療が必要です。精神安定剤や抗うつ剤などの薬が処方されます。産後すぐなら、通院していた産婦人科の先生や、助産師さんなどに相談してもいいでしょう。
ママの心身を十分に休ませること
自分で産後うつを認め、早めに心と体を十分に休ませてあげることが、早めの回復につながります。頑張り過ぎないで、頑張れない自分を責めないで、一人でやっていたことを周りの家族に協力してもらいましょう。一番ダメなのは一人で悩むこと!ママの話や悩みを聞いてもらいましょう。それだけでも心が軽くなり、体も楽になっていきます。
夫であるパパのサポートも重要です
産後うつを治すには、パパの理解とサポートが効果的です。積極的にママを手伝い、「ママは一人じゃない」と安心させてあげてください。育児や家事を一生懸命こなそうとしているママに、「頑張って」ではなく「ありがとう」と伝えましょう。ママがやることが当たり前ではないのです。一番近くにいるパパが、ママのSOSを感じて助けてあげることが大事です。
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12歳サッカー小僧とうさぎ×2とハムスター×1のママです。毎日もふもふ癒されています。
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