自己効力感の高い子どもは、どんなに辛い状況においても立ち向かっていけるメンタルの強さを持っています。そのため、親としては「子どもの自己効力感を高めてあげたい」と思うこともあるでしょう。
ここでは、"子どもの自己効力感を上げる方法"について詳しくご紹介します。「子どものメンタルを強くして、素敵な人生を歩んでほしい!」と考えているママやパパは、ぜひ参考にしてみてくださいね。
子どもの自己効力感を高める大切さ
「自己効力感って何?」「自己効力感があったらどうなるの?」と疑問に思うこともあるかもしれません。子どもに自己効力感があるのとないのでは、どんな違いがあるのでしょうか?
そもそも、自己効力感とはいったい何?
自己効力感とは目標達成や結果を出そうとする際に、適切な行動を選択し、自分の能力を認知することを言います。
自己効力感が高い人は、目標に向かって「自分は絶対に出来る!」と強い自信を持って物事に取り組みます。しかし、自己効力感が低い人は、自信よりも不安の方が勝ってしまいがち。出来ることであっても「自分には出来ない…」と諦めてしまったり、失敗してしまったりすることが多いのです。
日本の子どもの自己効力感は低い
日本では、大人・子ども関係なく、自己効力感が低い人が多いと言われています。日本においては、謙虚な人が好かれるという国民性もあり、自身を過度にアピールする人は少ない傾向にあります。
また、ベネッセが実施したアンケート結果によると「自分はだめな人間だと思うと感じている」と答えた中・高校生は、他の国に比べると多いという結果が出ました。自己効力感が低いまま大人へ成長すると、人生において苦労することが多くなる可能性があるため、注意が必要です。
子どもの自己効力感と学力の高さの関係性
上記のベネッセが実施したアンケートの中で、小学生の成績上位の子どもの87.0%が高い自己効力感を持っており、成績下位者子どもは74.2%しか高い自己効力感を持っていないという結果も出ています。そのため、自己効力感と学力の高さの関係性は深く、自己効力感をあげることで学力も上がる可能性が高いと言えるでしょう。
つまり、「自分は勉強ができる」と自信を持って、勉強に取り組めていることが、学力に良い影響を与えていると推測されます。
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親が子どもの自己効力感を高める方法
続いて、子どもの自己効力感を高める3つの方法についてご紹介します。自己効力感の高さは、今後の人生に大きく影響していくものです。親がどう接すれば、子どもの自己効力感を高めることが出来るのでしょうか?
子どもに成功体験を植え付ける
人は成功したり大きな壁を乗り越えること、自己効力感を上げることができます。自己効力感をしっかりと高めるためには、親の対応がとても重要です。自己効力感が高い子どもは、"親がいつも子どもを認めている家庭である"ケースが非常に多い傾向にあります。
両親から「あなたなら出来る」とアドバイスをされることで、子どもは自己効力感が生まれやすいでしょう。まずはちょっとしたことでも、「出来てすごいね!」褒めてあげることが大切です。
何かあっても自力で壁を乗り越えさせる
子どもが壁にぶち当たった時、親はついつい手を差し伸べてしまいそうになりがち。でも、あえて自力で壁を乗り越えさせることも大切です。壁は低くても構わないので、少しずつ自力で乗り越えさせるトレーニングをしてください。
ちょっとした壁を子ども自身で乗り越え、そこで親が目一杯褒めることで、それが成功体験となります。成功体験を繰り返していくことで、自信がつき、自己効力感がどんどん育まれていくでしょう。
あえて子どもを煽ってみる方法も
あえて、子どもを煽ってみることもおすすめです。
例えば、「自分で出来ないならお母さんに頼ればいいじゃない」「本当にそれ自分でできるの?」などと煽るように聞いてみましょう。そうすると子どものプライドが刺激され、「自分は必ず一人で出来る!」という気持ちになります。
そして実際に子ども自身で行動を起こし、成功したときに「すごい!本当にできたね!」と親が褒めてあげると、子どもにとっての成功体験になるのです。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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