つい言ってしまう「勉強しなさい!」が子どもにとって逆効果になる六つの理由

勉強しなさいと怒る母
小学校に上がると、気になるのが子どもの勉強のこと。つい「勉強しなさい!」と声を荒げてしまいます。ところが、この言葉は子どもによい影響を与えないばかりか、かえって子どもを勉強から遠ざけてしまうという話があります。「勉強しなさい」という言葉の裏にある親の思いや、この言葉を言わないようにするにはどうすればいいかについて考えてみましょう。

「勉強しなさい」で勉強時間が減る?

勉強を強いる
慶応義塾大学准教授の中室牧子氏が、小学校低学年の子どもを対象に「親の関わり方と学習時間を増加させる効果」について調査を行ったところ、いちばん効果があったのが「勉強する時間を決めて守らせる」という関わり方で、いちばん効果がなかったのが「勉強しなさいと言う」だったそうです。男女別にデータを取っていて、「勉強しなさいと言う」という関わり方をした女子は勉強時間が減ってしまったということです。「勉強しなさい」という言葉はなぜ効果がないのでしょうか?

「勉強しなさい」の裏に込められた親の期待

「勉強しなさい!」という言葉から、子どもは指示や強制のイメージを受け取ります。人間は強制されるとモチベーションがあがりません。親はなぜ、子どもに「勉強しなさい」と言うのでしょうか。その言葉の裏には、「○年生ならこれぐらい勉強するものだ」という思い込みや期待があり、現実の子どもの姿と期待する姿との間にギャップがあるから「勉強しなさい」という言葉が出るのではないでしょうか。ギャップが原因で募るイライラから出る言葉は、子どもに響くどころか嫌悪感すら与えてしまいます。

勉強しない親の「勉強しなさい」は効かない

子どもに「勉強しなさい」と言うとき、親はご自身の胸に手を当ててみてください。自分は家の中でテキパキと動いたり、本や新聞を読んで勉強したりしているでしょうか? 胸が痛いと感じる人は、まず親自身が勉強を始めることをおすすめします。子どもには「勉強しろ」と言うのに、親はテレビやスマホを見てばかりいるじゃないか――こんなふうに子どもから思われては、「勉強しなさい」という言葉もまったく説得力に欠けてしまいます。

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「勉強しなさい」と言わないために

勉強しやすい環境
「勉強しなさい」という言葉はダメとはいえ、言わなければおそらく多くの子どもたちは勉強しないのではないでしょうか。ポイントは、子どもが自主的に机に向かえるようにサポートすること。サポートの例をご紹介しましょう。

「いつ」「どこでやるか」選ばせる

漠然と「勉強しなさい」から一歩踏み込んで、「勉強する時間と場所を決めよう」と提案してみましょう。先ほど述べたように、「勉強する時間を決めて守らせる」という方法は、勉強時間を延す方法としていちばん有効です。勉強の開始時間はもちろん、場所も子どもに選んでもらいます。自分の机以外にリビングやダイニングでもかまいません。子ども自身が「この時間、この場所でなら勉強をする」と決めることが大切です。最初はなかなか自分で始めることができないかもしれません。そんなとき、親は「勉強する時間が来たよ!」と声をかけてあげればよいのです。

子どもが勉強できる環境を整える

子どもがリビングやダイニングなどで勉強するときはテレビを消し、ゲームやスマホを見えないところに置くなど、勉強しやすい環境づくりを作ってあげてください。リビングやダイニングなどで子どもが勉強するときは、親も子どもと同じ空間で本や新聞を読んだりして、勉強する時間をつくってみてはどうでしょう。「親も勉強しているんだな」と子どものモチベーションアップにつながりますし、親が見守ってくれているという安心感を得ることができます。

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