万引した子どもに親ができること
親として、万引をしてしまった子どもと向き合うのは、非常につらい瞬間です。しかし、罪を犯してしまった以上、何らかの形で子どもの更生に寄り添っていかなければなりません。万引した子どもに対して、親にはどのようなことができるのでしょうか?
本人を認めたうえで、自ら未来を決めさせる
まず、万引をした子どもに対し、以下のような姿勢で接するのは避けましょう。
- 家族に恥をかかせたことを責める姿勢を見せる
- 子どもに対し失望感をあらわにする
- 大きく取り乱す
このような姿勢を子どもに見せると、子どもが親の愛情に対して不信感を抱き、かえって行為がエスカレートしてしまう可能性があります。子どもがやってしまった行為を受け止めて、今後同じことをしないためにはどうすれば良いか、一緒に考えなければなりません。
被害者側に謝り、速やかに弁償する
親として当然のことですが、子どもと向き合う前には、被害者側に子どもの犯罪行為について真摯(しんし)に謝罪し、速やかに弁償する必要があります。社会人としてどうあるべきか、身を持って説明することが大切です。警察には迷惑をかけてしまったことを謝り、子どもが反省していることを伝えなければなりませんし、場合によっては学校への謝罪も必要になるはずです。これらの対応を迅速に行うことで、親の威厳を子どもは将来にわたって感じることになるでしょう。
同じことをしないために打てる手は全て打つ
罪を認め、親が子どもとともに償うだけでは、まだ話は終わりません。今後どうすれば万引をすることはなくなるのか、徹底的に話し合いましょう。どのようなことが起こったとしても、必ずその裏には理由があるはずです。もし、どうしても欲しいものがあって我慢できないということであれば、一時的にアルバイトをさせて自分でお金を稼ぐ体験をさせてみるという方法もあるでしょうし、友人が原因なのであれば、関係性を断つために転校を考えるなど、打てる手はいくらでもあります。親としてできることは何でもやるという姿勢を見せることで、子どもとの信頼関係を築くことができるでしょう。
おわりに
万引は、日本全体で厳罰化の傾向が進んでいる現代においても、比較的軽くとらえられがちな犯罪行為です。しかし、犯罪行為が簡単にSNSなどで拡散されるようになり、社会の目は非常に厳しくなってきています。子どもの将来を守るためにも、万引をさせないための取り組みに限らず、大人として犯罪行為に対する良識を磨いていきたいものですね。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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