小学校のエアコン設置率は?体育館のエアコン設定率は驚愕の数字!

小学校のエアコン
小学校のエアコン設置率が上がっています。文部科学省の発表では、令和元年の小中学校エアコン設置率が77・1%になり、子どもを熱中症から守る対策が進んでいます。(令和元年9月時点)。一方で体育館のエアコン設置率の低さが課題となっています。体育館は避難場所としての面も持っているので、こちらも早急な対策が必要。今回は小学校のエアコン設置率が上がる中みえてきた課題は、どんなものがあるのかみていきます。

小学校のエアコン設置率が低すぎる

教室の温度
ここ数年、記録的な猛暑が続いています。屋外だけでなく屋内でも熱中症のリスクが上がり、テレビでも連日「冷房を適度に利用しましょう」と言われていますよね。暑さに耐えて、気づかないうちに熱中症になってしまっては大変です。
では、小学校ではどうでしょう?長い時間を過ごす教室、窓を開けても解決するレベルの暑さではありません。勉強するにも集中力が続くのでしょうか。小学校のエアコン設置が急がれる中、現状をみていきましょう。

猛暑で相次ぐ子どもの熱中症

体育や屋外活動での、子どもの熱中症のニュースが後を絶ちません。2018年、愛知県の小学1年生の男子生徒が、熱中症で亡くなりました。その日は屋外学習で、帽子と水筒を持参していたのにも関わらず、熱中症は起こってしまったんです。熱中症は暑さだけが原因ではありません。寝不足や体調不良も大きく関わりますし、こまめな休憩や、喉が渇いていなくても水分補給をする必要があります。加えて子どもは、体温調節がまだ十分に発達して、さらに大人より身長が低く地面に近いので、熱中症のリスクが高いんです。

令和元年9月に発表された小学校のエアコン設置率

屋外での熱中症報告が多いですが、今後は室内での熱中症も心配です。登下校の暑さ・屋外活動の暑さ・さらに教室でも暑いままでは、子どもたちはずっと辛い暑さにさらされていることになります。記録的な猛暑が続き、公立学校でのエアコン設置が急ピッチで進んでいます。文部科学省が令和元年9月に発表した小中学校のエアコン設置率は、普通教室が77・1%でした。昨年の58%から大幅に増え、年度内に90%の設置率が見込まれています。すべての公立学校でエアコンが設置され、子どもの熱中症リスクを少しでも減らしてほしいですよね。
都道府県の設置率をみてみると普通教室の設置率100%は東京都、滋賀、香川となっています(令和元年9月時点)。

都道府県別 空調(冷房)設備設置状況(小学校)

※令和元年9月1日現在
都道府県名 普通教室
設置率
特別教室
設置率
 合計 
北海道 0.8% 3.8% 2.4%
青森県 5.6% 6.7% 6.3%
岩手県 20.5% 10.1% 14.6%
宮城県 34.5% 21.9% 27.7%
秋田県 18.7% 17.2% 17.9%
山形県 55.4% 38.4% 46.7%
福島県 81.0% 57.6% 69.3%
茨城県 99.2% 61.0% 81.1%
栃木県 98.3% 41.0% 68.8%
群馬県 99.5% 52.3% 73.6%
埼玉県 96.0% 59.9% 78.1%
千葉県 73.7% 46.0% 60.7%
東京都 100.0% 88.5% 94.0%
神奈川県 98.1% 54.1% 78.4%
新潟県 75.5% 35.4% 54.0%
富山県 71.9% 46.8% 57.7%
石川県 62.6% 57.6% 60.0%
福井県 99.9% 41.0% 67.8%
山梨県 83.1% 58.1% 71.0%
長野県 48.7% 28.0% 37.9%
岐阜県 89.7% 55.2% 70.2%
静岡県 46.5% 25.7% 36.3%
愛知県 82.9% 39.1% 61.9%
三重県 77.8% 51.4% 65.1%
滋賀県 100.0% 87.1% 94.0%
京都府 96.5% 67.0% 80.7%
大阪府 97.5% 62.6% 82.8%
兵庫県 81.9% 59.6% 71.0%
奈良県 97.1% 65.5% 80.9%
和歌山県 89.4% 55.3% 70.8%
鳥取県 49.5% 56.6% 53.0%
島根県 83.4% 42.1% 60.5%
岡山県 55.9% 39.5% 47.5%
広島県 75.4% 30.5% 52.1%
山口県 57.9% 27.2% 41.1%
徳島県 95.5% 51.5% 73.5%
香川県 100.0% 89.0% 95.0%
愛媛県 58.0% 45.6% 51.5%
高知県 56.5% 47.2% 51.5%
福岡県 96.4% 45.7% 72.4%
佐賀県 85.8% 50.3% 67.8%
長崎県 55.0% 35.5% 44.3%
熊本県 86.8% 59.8% 73.8%
大分県 97.2% 55.8% 76.9%
宮崎県 45.6% 42.4% 44.0%
鹿児島県 54.0% 41.4% 47.6%
沖縄県 91.7% 80.9% 87.4%
合計 77.1% 48.5% 62.8%

小学校にエアコンを設置することは甘えなのか?

小学校にエアコンを設置することに、積極的でない大人の意見があります。今の大人が小学生のときはエアコンのない学校がほとんどだったからです。しかし、日本の夏の平均気温は上昇しています。気象庁のデータによると、1981年〜2010年の30年間の平均気温は、基準値から+0・45℃でした。その年により変動はありますが気温は上昇しており、長期的には100年あたり1・11℃の割合で上昇しています。今の大人が子どものときより確実に暑くなっているのに、「自分たちが子どものときはエアコンがなくても平気だった」「子どものうちからエアコンに慣れるのはよくない」などの意見でエアコンをつけないのは、違うのではないでしょうか。気候が変化しているのだから、学校も対応していき、子どもを暑さから守る環境が必要です。

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小学校でのエアコン設置、課題は体育館

体育館は暑い
文部科学省の発表では、小中学校の普通教室が78.4%ですが、音楽室などの特別教室はエアコン設置率50.5%とやっと半分を満たしています。今後の大きな課題となっているのが、体育館のエアコン設置です。体育館のエアコン設置率はなんと3・2%。とても低いのが現状です。体育館は災害時の避難所としての役割もあるので、エアコンの設置は必要不可欠といっても過言ではありません。

エアコンのグラフ

多くの人が集まる体育館の暑さ

体育館は全校生徒が集まれる場所です。多くの人が集まれば、それだけ夏は温度が上昇することが考えられますよね。実際、体育館で行われた集会で熱中症の症状で病院に搬送された例もあります。日本の夏がどんどん暑くなっている中、全校生徒を体育館に集めて集会を開くのは難しくなっているのかもしれません。夏だけではなく、体育館の冬の寒さも辛いですよね。
全校集会を体育館で行わず、放送で行っている学校があるんです。生徒は各教室で座って聞くことができるので、暑い体育館で立って聞くよりも体調に配慮されています。今まで当然のこととして行ってきた体育館の全校集会も、見直されるときなのかもしれません。

体育館は避難場所としての機能が必要

体育館は生徒が利用するだけではなく、非常時の避難場所としての機能があります。2011年の東日本大震災や、2015年関東・東北集中豪雨、2019年の今年は台風15号の影響で千葉が甚大な被害に遭いました。多くの人が避難生活を余儀なくされ、場合によっては何日も・何週間も体育館で過ごさなければなりません。現在の体育館エアコン設置率は3・2%、とても少ない数字です。生徒たちが使うときも大切ですが、災害時の避難場所として使われているときにこそ重要だと思います。夏の暑い中、体育館にエアコンが設置されていれば、慣れない避難生活で疲れていても快適に過ごすことができるのではないでしょうか。小中学校の体育館のエアコン設置率・・・この数字をみる限りほとんどついていないといえるでしょう。大人より体力のない小学生たちがいくら授業とはいえ、夏の暑さを考えるとこの数字は衝撃です。

都道府県別 空調(冷房)設備設置状況(小学校・体育館等)

※令和元年9月1日現在
都道府県名  設置率 
北海道 0.3%
青森県 1.0%
岩手県 0.9%
宮城県 0.7%
秋田県 0.3%
山形県 0.7%
福島県 1.1%
茨城県 0.9%
栃木県 0.2%
群馬県 1.0%
埼玉県 0.8%
千葉県 3.5%
東京都 24.3%
神奈川県 1.5%
新潟県 1.1%
富山県 0.3%
石川県 0.2%
福井県 0.3%
山梨県 0.7%
長野県 0.9%
岐阜県 2.4%
静岡県 0.2%
愛知県 0.6%
三重県 4.6%
滋賀県 0.3%
京都府 1.2%
大阪府 2.4%
兵庫県 0.6%
奈良県 4.7%
和歌山県 1.4%
鳥取県 1.0%
島根県 0.3%
岡山県 0.0%
広島県 0.6%
山口県 1.0%
徳島県 0.4%
香川県 2.6%
愛媛県 0.7%
高知県 0.0%
福岡県 0.7%
佐賀県 0.4%
長崎県 0.0%
熊本県 0.2%
大分県 0.3%
宮崎県 0.0%
鹿児島県 0.1%
沖縄県 3.3%
合計 2.6%

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エアコン設置率の課題点

エアコンの取り付け
小中学校のエアコン設置が進む中、コスト面や使い方といった課題点がみえてきました。エアコン設置と同時に、使い方のルールも考えるべき問題です。

設置のコストと電気代

エアコン設置には大きなコストがかかります。学校すべての教室にエアコンを設置するとなればそれだけ大きな予算が動くことになりますし、慎重になさざるを得ません。そして電気代もかかります。お金の計算や予算の算出・発注業者の入札・工事計画。お金と手間がかかるため、エアコン設置が決まっても工事着手までに何年も要するパターンも少なくないんです。中には、エアコン設置が決定したにも関わらず、白紙になった例も。そのため政府は、エアコン設置の後押しのため822億円の補正予算を献上しました。今後はすべての小学校でエアコン設置が進んでいきます。

学校や教師によりエアコンの使い方が異なる

エアコンが設置されても、適切に使用されなければ意味がありません。学校の決まりや電気代の懸念、エアコンによる健康被害の懸念から、エアコンの使用に積極的な場合も見受けられます。子どもは暑くても、先生がエアコンの使用許可を出さなければ、つけてほしいとはなかなか言えませんよね。1番に考えられるべきは子どもの健康です。ルールではなく、子どものことを考えて、暑ければエアコンを使えるような環境になってほしいと思います。

おわりに

小学校のエアコン設置が進む中、課題も残っています。体育の授業で使われる体育館のエアコン設置が遅れていること。エアコンが設置されていても適切に使われていないこと。
猛暑が心配な夏、子どもたちが安全に学校に通えるよう、安心して勉強できるような環境作りが必要です。学校内のすべての教室と体育館にエアコンが設置して、熱中症のリスクを少しでも減らしていきたいですね。

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。

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