2017年11月に発売された「えがないえほん」をご存じですか?絵本なのに絵がない?それなのに読み聞かせをした子どもたちは大爆笑という魅惑の絵本です。今回は、大人が聞いても気になる特徴がいっぱいの「えがないえほん」にスポットを当てて、ご紹介していきます。
「えがないえほん」ってどんな本?
「えがない」というタイトルからして、こどばだけの絵本だということが想像できます。そもそも「えがないえほん」はどのようにして生まれたのでしょうか?原著を紹介しながら、「えがないえほん」が発行されたルーツを探ります。
アメリカで70万部超の大人気絵本が原著
「えがないえほん」は、2014年にアメリカで発売された「The Book With No Pictures」が原著になります。作者はアメリカの俳優・コメディアンであり、脚本家・作家・映像監督でもあるB・J・ノヴァク氏です。全米各地で著者自身が読み聞かせを展開し、70万部超のベストセラーとなりました。
原著でも、もちろん絵はありません。カラフルなローマ字が絵本のページを飾っているのが印象的です。にもかかわらず、アメリカの子どもたちに大人気!137週にわたってニューヨークタイムズでベストセラー入りを果たしました。
翻訳者は「読み聞かせのプロ」大友剛氏
日本語訳はミュージシャン・マジシャンという肩書を持つ大友剛氏です。2011年にはNHK教育「すくすく子育て」にてマジシャンとしてレギュラー出演もしており、年間250本もの読み聞かせを各地で開催しています。
「えがないえほん」は、原著をさまざまな擬音語・擬声語(オノマトペ)で翻訳し、発売する前に全国各地、2000人以上の子どもたちに読み聞かせが行われました。そのなかで子どもに人気のあった言葉を選んでいき、作られた絵本なのです。いわば、子どもと共同合作した作品ともいえますね。
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「えがないえほん」の内容・特徴
「えがないえほん」の内容や特徴についてご紹介していきます。子どもにどんな喜び・学びを与えてくれるのか、ポイントを二つにしぼってみていきましょう。
「絵本」なのに絵がなくてストーリーもない
まず、自ら「絵本」と言っておきながら「えがない」というところが大きな特徴です。さらに、なにかしらストーリー展開があるわけでもありません。一般的な絵本であれば、おおよそのあらすじがあって最後にハッピーエンド・教訓のような形で子どもたちに学びを与えてくれたり、楽しさを与えてくれたりするものですが、それもありません。
絵本というと、半分以上が絵で、言葉はわずかというイメージが定着していますが、固定概念を大きく覆してくれたのがこの「えがないえほん」でもあります。
たったひとつのルールが子どもの心をわしづかみ
「えがないえほん」は、ある一つのルールがあります。それは、「書かれている言葉を、声に出して読むこと」です。たとえ子ども自身で字が読めたとしても、声に出して読むことが重要です。ただ見ているだけではこの絵本の良さを実感することはできないということなのです。
声に出して読み聞かせることで、子どもが喜び、本が好き・楽しいと思えるようになり、表現力に磨きがかかることにつながるというのが「えがないえほん」の大きな特徴・魅力です。
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長男(小1 )・次男(年中)の二児を子育て中。総務・人事・経理などの事務職に従事し、産休・育休ののちに離職。その後フリーライターとして、出産育児・ビジネス・働き方関連・就職転職・地方創生など幅広いテーマを執筆しながら早4年目に突入しました。
男の子2人の育児に翻弄されつつも、我が子には「思いやりのある子・人の痛みのわかる子」になってほしいと願いながら慌ただしい毎日を過ごしています。
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