現代で大きな問題となっている「引きこもり」。なぜ、子どもは引きこもりになってしまうのでしょうか?子どもが引きこもりになる原因は親だけではありませんが、引きこもりになる子どもの親には特徴があるといわれています。あなたも、引きこもりの原因を作ってしまってはいませんか?
引きこもりにならないように、子どものために親としてできることは数多くあります。今回は、「引きこもりの子ども」の親の特徴や、引きこもりにならないための対処・改善方法について、ご紹介します。
なぜ子どもは引きこもりになってしまうのか?
子どもが引きこもりになってしまう原因には、さまざまなものがあります。「学校でのトラブル」「友人関係」「家庭環境」「習いごと」など、大人からすれば小さな問題でも、子どもにとっては大きな問題となり、引きこもりになってしまうのです。子どもが引きこもってしまうことはひとごとではなく、あなたの家庭でも十分に起こり得ることだといえます。
引きこもりになってしまう原因とは
子どもが引きこもりになってしまう原因は多種多様ですが、原因として多い例を以下にご紹介します。
- 学業や恋愛での挫折
- 学校になじむことができなかった
- 不登校
- 受験に失敗した
- 人間関係のトラブル
- 精神疾患 など
引きこもりは、その原因を知り、その後どのように対処するかが大きな問題となります。引きこもっている時間が長ければ長いほど、外の世界へ復帰することが難しくなるからです。一度引きこもってしまうと、そこから立ち上がることがとても大きな壁となってしまう場合も多いといわれています。
引きこもりの子どもを持つ親の特徴
子どもの問題だけではなく、子どもが引きこもりになってしまう親に見られる特徴も存在します。彼らの親は、「自分の価値観を子どもに押し付ける」ことが多いとされています。彼らは、子どもとの価値観の違いに不満を感じたり、怒りをぶつけたりしていることが多く、子どもに大きなストレスを与えていることが多いものです。
親からすると、子どもが失敗しないように導いているつもりでも、子どもはそのように感じることができません。子どもは、親の価値観や理想に思い通りに近づいてくるわけではないからです。自分の子どもに価値観を押し付ける行為は、悪循環を生み出すきっかけになってしまうことがあります。
引きこもりになってしまう子どもの特徴は?
引きこもりは親の影響もありますが、以下のような家庭の状況や本人の性格も大きく関係することがあります。
- 両親の関係が悪い、または破綻している
- 過保護な親に育てられた子ども
- 真面目で、人に迷惑をかけることが苦手な子ども
- 親が全く子どもに関わらない家庭で育った
引きこもりには、上記のように複雑な関係や環境も絡み合っているものです。あなたの子どもが引きこもりにならないためにも、小さなことにも心を配ることが大切になります。
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子どもの引きこもりと親の関係性は?
引きこもりには親の存在が大きく関係しており、さまざまな原因やケースがありますが、親と子どもの関係が必ずしも良いものではないことも多く、親と全く関わっていない引きこもりの子どももいます。引きこもりの子どもは、親からの愛情を十分に感じることができず、自分の気持ちを閉じ込めている場合もあるのです。
引きこもりの子どもに親はどう接すれば良い?
引きこもっている子どもに接することは難しく、ささいな言葉でさらに傷つけてしまい、引きこもりが悪化してしまう場合もあります。そのため、引きこもっている子どもに接する時には、次のような細心の注意をはらう必要があります。
子どもが安心できる環境を作ること
子どもが引きこもっていることに親が焦って、説教や怒りをぶつけることはよくありません。そうすることで、引きこもっている本人は「親は自分を嫌っている」「自分はダメな人間だ」と否定的に考えてしまい、自己評価をどんどん下げてしまいます。つまり、自己評価が下がることによって自分を認めることができなくなり、他人からの評価も受け取ることができなくなってしまうのです。このような状態を避けるためには、本人の悩みをさりげなく聞いてみたり、親から無理に干渉せず、見守ってあげたりすることが大切です。
引きこもりになってしまった場合の対処法
引きこもりを改善するためには、早めの対処が重要だといわれています。子どもが引きこもりになってしまった場合にまず行うべきことは、親同士で話し合いの場を持つことです。子どもがいない場で親同士(家族)が話し合いを行い、どのようなサポートが必要かどうかなど、今後の子どもへの接し方を明確にしておきましょう。早い段階で引きこもりに対処するためには、いかに子どもと接するが重要になります。親はこれ以上、子どもが傷つくことがないような方法で進めていくことが大切です。
引きこもりになってしまう前に気付いてあげる
子どもが引きこもりになってしまう前に気付き、早めの対処を行うことも親の役目だといえます。子どもはいつも困った時には、一番信頼できる関係である「親」に何らかのSOSを出していることも多いものです。見た目や生活は普段と変わらなくても、子どもの態度や行動が少しずつ変化してきている場合もあります。親は常に、自分の子どもを客観的に見る目を養い、子どもからのサインを見逃さないように気を付けておきましょう。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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