小学校、体操服の下は肌着禁止!不思議な肌着ルール

学校の不思議なルール
2021年春、「体操服の下に肌着を切ることを禁止している」という小学校のルールが話題になりました。こうした根拠のよくわからない不思議なルールは、学校現場に少なくありません。今回は、小学校の謎ルールやルールの背景にある事情をご紹介します。こうしたルールを通じて、子どもの主体性や人権について考えていただければと思います。

体操服の下の肌着を禁止する小学校は各地に

体育の授業
「体育の時間、体操服の下に肌着を着てはいけない」というルールが一部の小学校にあるのをごぞんじでしょうか。2021年3月、神奈川県の川崎市議会で市議会議員が「子どもたちが嫌がっていると相談を受けた」と言及したことをきっかけに、川崎市教育委員会が市内の全小学校に調査を行う事態になりました。

この件は直後にワイドショーで取り上げられ、全国各地の小学校で同様のルールがあることが話題になりました。なぜ、このようなルールがあるのでしょうか。

理由は「身体が冷えるのを防ぐため」か?

「なぜそのような指導をしているのか?」という川崎市議の質問に対し、「教育委員会として指導は行っていない」というのが教育委員会の回答でした。あくまで、学校それぞれが独自に指導していたのです。

肌着を禁止している理由として「汗を吸った肌着で身体を冷やさないようにするため」とする小学校があることを、教育委員会は確認しています。また、川崎市以外にも体操服の下に肌着を切ることを禁止している小中学校が全国各地にあり、「皮膚の鍛錬」「下着が透けるから」などと理由を説明している教師もいたとのことです。

ただ「体操服の下に肌着を着てはいけない」というルールはいつ、どのように決まったのかという問いに明確に答えられる教師はほとんどいないといいます。このルールがある中学校の教員の話では「ルールができた理由も、いつ決まったのかも記録に残っていない」そうで、教員が異動で入れ替わってもなぜかルールは継続されてきたようです。

スポーツ庁からルールの見直しを求められる

「肌着を着てはいけない」ルールのいちばんの問題点は、子どもたちが嫌がっていることです。「イヤだ」という気持ちは、成長とともに性に対する意識が芽ばえてきたこと。それは健全な成長のかたちです。だから、たとえば胸がふくらんでいる女子にブラジャーなどをつけることを許さないことは、“教育”の名のもとに“性”という極めてプライベートな領域を侵すことにつながります。

かつての教育現場では、子どものプライバシーへの配慮を無視するような指導が行われていましたが、今ではもちろん許されません。この話題が世間を賑わせるようになってまもない2021年3月18日、スポーツ庁は全国の教育委員会に対し、児童の心情や保護者の意見を尊重し、必要な見直しを求める事務連絡を出しました。「社会通念に照らして必要かつ合理的なものにすべき」と肌着禁止ルールの問題点を指摘しました。

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肌着禁止以外にもある!小学校の謎ルール

ランドセルは重い
「体操服の下の肌着禁止」以外にも、小学校には理由がよくわからない“謎ルール”があり、何年も続いています。自治体単位で統一されているというわけでもなく、各学校で独自にルールを決めているようです。

ここでは、謎ルールの例として欠席連絡と置き勉についてご紹介します。

電話での欠席連絡はNGの小学校多数

小学校の謎ルールとして「あるある」なのが、「児童が欠席する際は連絡帳にその旨を書き、近所の児童や同じ集団登校班のメンバーに託す。電話はNG」というもの。電話対応OKにすると、電話が鳴りっぱなしになって朝の職員会議などに支障が出る、または電話回線があまりないといったところが理由かと思われます。集団登校制の学校なら対応可能ですが、自由登校の学校だと近所に住む児童を探すのに苦労しますね。

ちなみに、筆者の子どもが通っていた小学校は「欠席はできるだけ連絡帳で知らせてほしいが、やむを得ない場合は8時から8時15分までに電話をする」というルールでした。学校から「欠席連絡のお願い」というお知らせを年度の初めに毎年もらうのですが、そのたびに「メールで連絡できればいいのに」と思っていました。学校にメールアドレスを登録していて、遠足の中止などを一斉メール配信するシステムがすでに整っているのに、保護者から学校にメールをすることができなかったのです。

ところが、コロナ禍の影響で、感染予防の観点からメールでの欠席連絡もOKになった小学校もあるようです。近い将来、オンライン授業ができるだけの通信設備が整って、学習端末から出欠を担任に知らせることができれば、さらに便利になるのではないでしょうか。

文科省も通達を出したのに置き勉禁止?

宿題などに影響のない教科書などを、机の中に置いて帰る「置き勉」。かつて置き勉はダメとする小学校が多かったのですが、教科書などが入ったランドセルを背負う子どもの負担を考慮し、2018年に文部科学省が各地の教育委員会などに対して「家庭学習で使用する予定のない教材等について、児童生徒の机の中などに置いて帰ることを認めている」と記した文書を発信しました。

しかし、具体的な指導は学校の判断にゆだねられているため、今も「置き勉禁止」としている小学校は少なくありません。これは校内に「置き勉反対派」の教師がいることが影響しているようです。

「次の日の学習の用意をする習慣をつけたい」「忘れ物をしないトレーニングになる」というのが、置き勉反対派の教師の主張です。一方で置き勉に賛成する教師からは「置き勉をすれば、忘れ物が少なくなるのではないか」という意見もあり、教師の間では教育的指導の見地から置き勉の是非を論じられることが多いようです。

ランドセルメーカーのセイバンが2018年に行った調査によると、小学生がランドセルに入れている教科書の平均的な重さは小学1年生で3.6㎏、6年生で5.5㎏になるとのことです。ランドセルの重さ(1.2~1.4㎏)を加えると、1年生で約5㎏、6年生で約7㎏もの荷物を背負い、毎日自宅と学校を行き来するのは身体に負担がかかります。保護者としては、子どもへの身体的負担も考えてもらいたいところです。

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