「給食を残しちゃダメ! 」はもう古い? 完食指導の問題点

変わった! 給食指導と給食を残す子どもへの対応

給食の配膳
親世代である30代40代の人が小学生だった時代と今とでは、給食の指導方法や対応が大きく変わっています。ここからは、大きく変わった給食指導についてお話しします。学校での指導を参考にして、家庭でできることは何かを探ってみましょう。

食材を子どもが育てることで大切さを教える

昔は給食を完食されることで、食べ物の大切さや作ってくれる人へ感謝の気持ちを教えてきました。今は、食材を子ども自身が育てることで、実際に食べ物が口に入るまでの大変さを感じ、感謝の気持ちを教えています。社会科では、バケツで稲を育てる授業が行われることもあります。子ども一人ひとりが、土作りから稲刈りまでやるのです。そして、子どもが手で脱穀し、取り出した米は学校で炊飯して給食の一部に使用したり、家庭に持ち帰ったりします。家庭では、子どもと一緒に食事の支度をすることで、口に入るまでの道のりや大変さを教えることができるでしょう。

「減らす」ことで完食できるようにする

昔の給食は、みんなが同じ量をもらうことが当たり前でした。しかし小学生は、体の成長に個人差があります。食べられる量にも差があるのです。今は「食べられる量」を自分で把握して完食する指導に変わっています。最初は、みんな同じ量を配膳しますが、手を付ける前に自分の判断で「減らす」ことができるのです。減らして集まったおかずは、お代わりとして食べられる子どもが食べます。小食の子どもでも完食できる喜びを感じることができるのです。昔は個人単位で完食を目指していましたが、今はクラス単位で完食を目指します。家庭でも「これだけ食べなきゃダメ」というノルマを決めるのではなく、食べられる量を親も把握して完食できるようにするといいでしょう。

給食は新しい味と出会えるチャンスにする

好き嫌いが多いまま大人になってしまうことはよくありません。今の給食では「嫌いなものでも一口食べてみよう」という指導に変わっています。昔のように、好き嫌い関係なく、すべて完食させる指導は減っているでしょう。今は、給食で嫌いなものを克服するのではなく、一口食べてみることで、給食を「新しい味と出会うチャンスの場」にしているのです。家庭でもいつも同じメニューではなく、たくさんの食材を取り入れたメニューを考えてみるといいでしょう。

おわりに

昔と今とでは、給食に求められる役割が変わってきているのかもしれません。これからは「完食指導」よりも「適量を食べる指導」、「食物アレルギーの知識」などが求められるのではないでしょうか。時代に見合った指導が学校だけでなく、家庭と連携して行われることを期待します。

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。

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