いざとうときに、交通事故から子どもの命を守ってくれるチャイルドシートですが、初めて使う場合はどうやって取り付けたら良いのか迷ってしまいますよね。また、ふだん何気なく取り付けていても、意外に誤ったつけ方をしていることも多いとの調査結果も出ています。そこで今回は、子どもの命を守るために重要な「チャイルドシートの正しいつけ方」を中心にご紹介します。
チャイルドシートは正しくつけられている?
法律で6歳以下の子どもへの使用が義務づけられているチャイルドシートですが、実際にチャイルドシートの使用状況は、どのようになっているのでしょうか?正しいつけ方がされているかも、合わせてみていきましょう。
正しいつけ方をしているケースは約4割
2019年に行われた警察庁と日本自動車連盟(JAF)の合同の調査によると、全国平均のチャイルドシートの使用率は70.5%で、そのうち正しいチャイルドシートのつけ方をしていたのは47.6%、適切に着座させることができていたのは42.2%と、約6割の方がミスユースをしているという結果が出ています。
約6割の人が誤ったチャイルドシートのつけ方
チャイルドシートを使用していたにも関わらず、正しいつけ方をしていなかった人が約6割もいたという事実を踏まえ、警視庁では取扱説明書をよく読んだうえで、正しいつけ方をするように注意を促しています。では、どんな取り付けミスが多いのでしょうか。
腰ベルトの締めつけが不足している
乳児用のチャイルドシート、そして幼児用のチャイルドシート、共に最も多いミスユースは、「腰ベルトの締めつけが不足している」状態です。腰ベルトの締めつけが不足している状態では、チャイルドシートは車の座席にしっかりと固定されていません。腰ベルトがたるむことなく、ピンと張っている状態が正しい締めつけ具合です。
座席ベルトの通し方が間違っている
「腰ベルトの締めつけが不足している」状態に次いで多いチャイルドシートのミスユースは、「座席ベルトの通し方が間違っている」状態です。チャイルドシートを初めて取り付ける際には、取扱説明書を片手に座席ベルトの通し方に悩む人も少なくありません。座席ベルトの通し方が間違っている状態では、チャイルドシートのミスユースになりますので、正確に座席ベルトを通しましょう。
ハーネスの締めつけが不適正、高さ調節が間違っている
車に正しく取り付けられたチャイルドシートに座っても、子どもの成長に見合った調節がなされていなければチャイルドシートのミスユースになります。「ハーネスの締めつけが不適正」な状態は乳児用のチャイルドシートのミスユースとして最も多く、「高さ調節が間違っている」のは幼児用のチャイルドシートのミスユースとして最も多いものとなっています。
チャイルドシート不使用時の致死率は13.4倍
チャイルドシートを使用していなかった場合、使用していたときと比べて事故にあった際の致死率は、実に13.4倍という恐ろしい数字が出ています。せっかくチャイルドシートをつけていても正しくつけられていなければ、チャイルドシートそのものが座席から外れてしまったり、子どもが投げ出されたりしてしまう危険性があり、チャイルドシートの優れた効力を十分に発揮できないのです。
警視庁の公式サイト内では「お子さまを車に乗せる際の注意事項」を公開していますので、ぜひチェックしてみましょう。
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チャイルドシートを取り付けるときの注意点
チャイルドシートは年齢や子どもの成長に応じてさまざまなタイプがありますが、取り付ける際に気をつけたい共通のポイントがあります。ここでは、これだけは押さえておきたいチャイルドシートを取り付けるときの注意点をご紹介します。
【注意ポイント1】取り付け位置について
チャイルドシートの取り付け位置で一番理想的なのは、車の後部座席の中央、次に助手席の後部座席です。反対に、避けたいのがエアバックを装備してある助手席で、特に新生児や乳児の場合はエアバックが作動したときに子どもの頭を直撃して思わぬ惨事を招く危険性があります。ほかにも、シートベルトのない座席や、進行方向に対して横や後ろに向いている席も避けましょう。
【注意ポイント2】正しい取り付け方をしましょう
チャイルドシートは、車のシートベルトを使用してしっかりと固定しますよね。その際に、シートベルトが正しい通し方になっていることがとても重要です。説明書がない場合は、メーカーのホームページで取り付け方法の動画などが公開されていますので、参考にすると良いでしょう。取り付ける向きに関しては、一般的に乳幼児用のチャイルドシートは後ろ向きに、幼児用のチャイルドシートは前向きに取り付けることが多くなっていますが、おのおののメーカーの取扱説明書に従って、正しく取り付けるようにしてください。
腰ベルトの締めつけ不足に気をつける
チャイルドシートを車に取り付けたら、腰ベルトの締めつけに不足がないかを確認しましょう。もし、腰ベルトがたるんだ状態になっていれば、それは締めつけが不足している証です。乳児用・幼児用が兼用になっているチャイルドシートを固定する際は、チャイルドシートを取り付ける座面に押し付けるようにして、シートベルトでしっかりと締めつけるのがポイントです。
ハーネスの締めつけ具合は適切か
チャイルドシートのハーネスは、子どもにピッタリと密着しているのが正しい締めつけ具合です。ハーネスがピッタリと子どもに密着すると子どもが苦しいのではないかと思ってしまい、ゆとりを持たせた締めつけ具合にしてしまいがちですが、これはチャイルドシートのミスユースです。子どもをチャイルドシートに座らせてバックルにタングを差し込んだら、調節用のベルトを引っ張ってハーネスを適切な長さにしましょう。
厚着のまま乗せない
分厚い防寒着を着せたままチャイルドシートに座らせると、ハーネスの拘束力が弱まります。子どもの体とハーネスの間に分厚い防寒着があることにより隙間が生まれ、急ブレーキや衝突の際に赤ちゃんがチャイルドシートから飛び出してしまうのです。子どもの体とハーネスの隙間は、指1本分が望ましいとされています。
チャイルドシートは後部座席に設置
助手席にエアバッグが装備されている車も多いので、チャイルドシートは後部座席に取り付けるようにしましょう。衝撃でエアバックが作動した場合、チャイルドシートが弾き飛ばされてしまう恐れがあります。もし助手席に取り付ける場合は、座席をできるだけ後ろに下げましょう。
【注意ポイント3】必ず最終確認をしましょう
チャイルドシートがつけ終わったら、残るは最終確認です。正しい位置に置かれているか、正しいつけ方をされているかなど、入念にチェックします。チャイルドシートを前後や左右にゆすってみても、しっかりと固定されていればOKですが、緩んで動いてしまうようですと、取り付け方に誤りがある可能性が高いので、やり直してみてください。
子どもをチャイルドシートに座らせた後も、子どもがチャイルドシートから抜け出していないか、苦しそうにしていないかなど、子どものことを気にかけることで、ますます安心で安全なお出掛けになりますよ。
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