机に向かって宿題を始めても、すぐに別のことを始めてしまって続かない…。子どもが集中して勉強できないと、嘆いていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。子どもに限らず、人間が集中力を発揮できる時間は思ったほど長くはありません。今回は「子どもの勉強への取り組み方」と「親が子どものためにサポートできること」という二つの観点から、子どもの集中力を高める方法をご紹介します。
そもそも人間の集中力は長続きしない
人間の集中力がどれぐらい続くかごぞんじでしょうか。大人でも約50分といわれています。子どもはさらに短くなり、幼児で5分程度、小学校低学年は15分、高学年は25分が限界とされています。それなら、なぜ何時間も机に向かって勉強や仕事をすることができるのでしょうか?
集中とクールダウンを組み合わせる
年齢にかかわらず、人間の集中力の限界は短いものです。しかし、何時間も机に向かって仕事や勉強に集中できる人もいます。そのような人も、実はずっと集中しているわけではありません。何分か集中したら、いったん脳を休ませてクールダウンし、再び集中するといったことを繰り返し、その積み重ねが「長時間仕事や勉強ができている」という状態を生み出しているのです。子どもが机に向かうときも、先ほど述べたような一定の時間だけ集中し、その後いったん休憩する、あるいは楽な作業をするといったことを繰り返す習慣をつけましょう。最初は「集中 → クールダウン」を何セットも続けることは難しいと思いますが、まずは1セットでもいいので毎日続けることで、少しずつ2セット、3セットと時間を延ばせるようになるでしょう。
興味が持てそうなもの・形式から始める
先ほど述べた「集中 → クールダウン」について、大切なのが「集中する時間に何をするか」ということ。漢字や九九、都道府県名などの暗記といった単純なもので、好きな教科から始めるのがいちばん効果的です。勉強そのものが苦手な子なら、興味を持ってもらうためにクイズ形式で問題を出してもいいでしょう。ネットや書店などには、勉強に楽しく取り組めるドリルやカードなどの教材もたくさんあります。できるだけ親も時間をつくり、一緒に取り組んでみてください。
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集中力を発揮しやすい状況を作り出す
子どもの集中力を高めるためには、当然ですが子ども自身が努力する必要があります。まずは、これからご紹介する二つのことを取り入れてみてください。いきなり「計画を立てて、守りなさい」と子どもに言っても、計画の立て方がわからない子どももたくさんいることでしょう。親子で話をしながらでいいので、必ず子ども自身に決めてもらいましょう。
子ども自身が計画を立てて実行する
勉強をしない子どもに対して、「ゲームはしちゃダメ」「マンガはダメ」と言いがちですが、好きなものを取り上げるのはあまり効果的ではありません。「ゲームもマンガもOKだけど、勉強も頑張ろう。家にいる時間の中で、それぞれ時間を決めよう」という提案を子どもにします。何をいつ、どれぐらいの時間をかけるかは子どもに決めてもらいます。あまりにも極端に勉強時間が短い場合などは親も助言をするべきですが、基本的には子どもに任せましょう。そして、決めたことは守るよう約束します。「自分で決めたことはやる」という決まりごとは意外とモチベーションにつながり、集中力を支えてくれるもの。また、決めたことができると、子どもの自信にもつながります。
勉強モードに入る決まりごとをつくる
「机に座って即、集中」とは、なかなかならないのが現実。そんなときは、遊びから勉強モードに切り替えるための「決まりごと」を、子どもに決めてもらいます。計算問題や教科書の音読など、好きな勉強から取り組むように決めてもいいですし、「音楽を1曲聴く」「鉛筆を削る」でもかまいません。大切なのは、「勉強を始めるときに必ずやる」こと。アスリートは、集中力を高めるために「ルーティーンワーク」とよばれる特定の動作を繰り返します。これと同様のことを、机に座って行うというわけです。机に座ってルーティーンワークを継続するうちに、自分で勉強モードに切り替えられるようになるでしょう。
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企業取材や社史制作をメインに、子供の出産を機に教育や会計などの記事も手がけています。家族は小学生高学年の娘、夫。関心事は教育やライフプランのことなど。「これからの時代を生きるために必要な力って何?」をテーマに、日々考えています。
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