昨今、子どもの噛む力が弱くなってきているといわれています。お子さんは、ご飯とパン、どちらが好きですか?また、どのようなおやつを好んで食べていますか?よく噛まなくてもおいしく食べることのできる食品が増えていることも要因といわれています。噛む力が弱くなることでどのような弊害があるのか、ご存じですか?子どもの噛む力を鍛えるために親ができることをご紹介します。
噛む力の重要性
そもそも、柔らかい食材が増えてきた現代、噛むことは必要ないから弱くなってしまってもいいのではないかと考えていませんか?噛む力が弱くなることで、どのような影響が出ることがあり、噛むことが重要だといわれているのでしょうか。
歯並びへの影響
最近、歯並びの矯正をしているお子さんをよく見ると感じませんか?目立ちにくい器具の開発など、歯科医療の発展発達ももちろん要因ではあります。しかし、噛む力が弱くなり、子どもの顎の発達がゆっくりになることで、永久歯への生えかわりまでに顎の発達が間に合わない子どもが多いことも要因といわれています。噛む力が弱くなる食生活を続けていることで顎の発達が間に合わず、歯並びが悪くなることにつながるからです。歯列矯正は自由診療で高額な費用が必要ですし、歯並びが悪いままでは歯磨きがしにくいため、虫歯になるリスクが高まってしまいます。
消化吸収への影響
消化といえば内臓のイメージですが、消化の第一段階はそしゃくです。口に入った食品は、歯で噛み砕かれるだけでなく、噛みながら出てくる唾液と混ざりあうことで次の段階に進める状態になります。噛む力が弱くなることにより、十分に噛み砕かれる前に飲み込んでしまうことになり、消化不良の原因にもなります。消化不良で胃腸が悪くなること以外にも、せっかく食べた食品の栄養をしっかり吸収することなく排せつしてしまうことにもなってしまいます。
老後への影響
子どもの歯、まだ生えてきたばかりだよ!と思われるかもしれませんが、噛む力が弱くなることでそしゃくの時間が短くなり、唾液が口の中にある時間が短くなってしまいます。唾液は口の中に残った食品を流してくれる役割もあり、虫歯の予防にも必要とされています。小さい頃からあまり噛まずに飲み込む習慣がついてしまうと、大きくなってそれを改善するのは大変難しいことです。親が仕上げ磨きをしてあげられる乳歯期の虫歯は減っていますが、小学校高学年頃には仕上げ磨きをしなくなりますよね。その年代はちょうど永久歯に生え変わったばかりの時期と重なり、永久歯の虫歯が多いそうです。
大人になっても虫歯が多い状況や唾液の少ない状況が続くと、歯を失うことにつながります。歯を失うことで、栄養の吸収がうまくいかなくなり老後の健康に影響するという調査結果が出ています。
合わせて読みたい
https://tamagoo.jp/childcare/cause-of-tooth-alignment/
噛む力を育てるために親ができること
噛む力の重要性を理解すると、わが子の噛む力を何とか育ててあげたくなるのが親ごころというものです。ここで重要なのは「焦らない」こと。育児雑誌やインターネットでは、月齢や年齢に応じたレシピがたくさん紹介されています。しかし、子どものそしゃく力、消化力の発達は人それぞれ違うものです。表記されている月齢、年齢に惑わされず、自分の子どもの発達に見合った食事を用意することが重要です。
離乳食期~発達段階に応じた硬さで
離乳食の段階を追って、だんだんと歯茎で噛める硬さのものに移行していきますね。焦って幼児食に移行して、小さく刻んだ食品の硬さをあげてしまうと、よく噛まずに飲み込んでしまう癖がついてしまうお子さんもいます。消化しきれなかった食品は、そのままの形で便に出ることもありますので、おむつ替えのときにチェックすることをおすすめします。そしゃく力をつけるためには、食品の硬さをあげるのではなく、少し大きめにして、歯茎でつぶしてから飲み込む癖をつけてあげることがおすすめです。
幼児食期~おやつにも噛み応えのあるものを
奥歯まで生えそろってきた幼児食期には、おやつにも噛み応えのあるものを用意することがおすすめ。市販のおやつの中にももちろん噛み応えのあるものはあります。硬めのビスケットや野菜チップスなどを選んでみましょう。また、干し芋や小魚、味付けでないスルメなど、自然の食材をそのまま使ったおやつを選ぶのも、噛んでおいしく感じることができるのでおすすめですよ。
普通食期~食べるのに時間がかかることを許容しましょう
大人と同じものが食べられるようになって、食事の支度も楽になる頃です。しかし、子どもによっては食事のスピードがゆっくりな子もいます。噛む力がまだ弱かったり、噛むのに疲れてしまったりするため、ゆっくり食べている可能性もあります。朝などは特に時間に追われて「早く食べて~~!」となってしまいがちですが、子どもは大人より筋力が弱いものですから、食事の時間は長めにとれるよう他で時間を調整してあげましょう。
合わせて読みたい
40代前半。15年間の義両親同居のモラハラ生活を経て離婚、現在は15歳の長男と10歳の次男と3人で暮らしています。子どもたちにはそれぞれ特徴のちがう発達障害があります。離婚後、保育士資格を取得し、いかに自立していくかを模索中です。
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。