初めてのおつかい、しかも親と一緒でなく子ども一人で!頼まれた子ども本人はもちろん、頼む側の親にとってもまさに大冒険。想像するだけでもドキドキしてしまうような一大イベントです。
子どもに手伝いをしてもらっているというご家庭は多いでしょうけれど、いざおつかいとなると、いったい何歳ぐらいになったら任せても大丈夫なのか悩むところも大きいのではないでしょうか。そこで今回は、子どもにおつかいを任せられるのは何歳ごろからか、初めてのおつかいを体験する適齢期についてみていきましょう。
この記事のもくじ - 項目をクリックで該当箇所へ
5歳半でおつかいをしている子の割合は?
子どものお手伝いに関して、興味深い調査結果が厚生労働省から発表されています。2001(平成13)年に出生した子どもを対象とする「21世紀出生児縦断調査」の第6回、2007年に公表された平成18年度の調査結果です。第6回調査では、第1回〜第5回の調査では取り上げられなかった「手伝い」が初めて調査項目に設定されました。
食器の片付けや弟妹のお世話が7割超
第6回調査によると、調査対象となった5歳6カ月の子どもたちがやっている手伝いとして最も多く回答されたのは「食卓に食器を並べる、片付ける」で、74.1%でした。また、下の子がいる場合には「弟や妹の面倒をみる」手伝いをしている子が多く、その割合は8割を超えています(83.4%)。その他、半数近くの子が「買い物の荷物を持つ」(47.3%)や「洗濯物をたたむ」(41.9%)などの手伝いをしているという結果でした。
5歳6カ月で「おつかい」している子は8%
一方、「おつかい」をしている子の割合は、他の項目に比べると顕著に少ない7.9%でした。自分でできることも手伝いしてくれることも増え、ちょっと高度なことも頼めるようになってくる年長さん(5歳〜6歳)ごろになると、「そろそろおつかいを頼んでみてもよいころだろうか」と考え始める家庭もあるかもしれません。しかし、この調査によると、5歳6カ月の段階ではまだ「初めてのおつかい」を子どもに任せるのは見合わせている、というお家が多いようです。
8歳6カ月では「おつかい」が26.2%に
「手伝いの状況」については第9回で再び調査が行われました。対象児の年齢は8歳6カ月です。結果をみると、第6回(5歳6カ月)のときの調査と同様に「おつかい」は上位7項目中7位でしたが、注目されるのはその割合です。5歳6カ月では「おつかい」をしている子の割合がおよそ8%だったのに比べ、8歳6カ月では26.2%に増えています。つまり、年長から小学2年生までの期間に「おつかい」をするようになった子が多くいたものと考えられます。
合わせて読みたい
「一人でおつかい」に適した発達段階は?
お手伝いに関する調査をもうひとつご紹介します。経済産業省のキッズデザイン製品開発支援事業の一部として2012年から2013年にかけて実施された「子どもの行動特性調査」です。1歳から8歳の子どもについて家庭での手伝いの状況をヒアリングした調査結果と分析とが公開されています。
「一人でのおつかい」25%は7歳ごろから
手伝いでも、内容によって任せる年齢が変わってきます。例えば簡単な調理や片付け、清掃などは1歳からでも行う子がいる一方、「一人でのおつかい」は頼むならかなり年齢が上がってからというお家が多いようです。この調査でも、同い年の25%以上が「一人でのおつかい」をしている、という年齢は7歳でした。また、この調査では親が手伝いをさせていない場合にその理由についてもヒアリングが行われています。子どもに「一人でおつかい」をさせない理由の大多数は「子どもが危険だから」というものでした(87.1%)。
「初めてのおつかい」適齢期は?
子どもの成長に発達段階があることはよく知られていますが、同様に手伝いについても発達段階があるようです。この調査に関しては、下記の四つの発達段階が示されています。
- 1〜2歳の「お手伝い開始期」
- 3〜4歳の「お手伝いチャレンジ期」
- 5〜6歳の「お手伝い発達期」
- 7〜8歳の「家事分担移行期」
ちなみに、「一人でおつかい」に挑戦させるのに適した時期とされているのは「家事分担移行期」。大部分の手伝いができるようになり、お家の一員として家事においても役割を担い始める7〜8歳ごろが、発達段階の観点からも「初めてのおつかい」に適していると言えるようです。
合わせて読みたい
初めてのおつかい、幼児期からできること
二つの調査結果から、一人で初めてのおつかいを任せるには7〜8歳ごろが適しているようだということを述べました。しかし、すべての過程を一人で行うには早くても、部分的に「おつかい」をしてもらうことは幼児の段階でも可能です。
スモールステップで段階的に「おつかい」を
幼児期から任せられる「おつかい」にはどのようなものがあるのでしょうか。幼児期のおつかいは、親子でお店に行って一緒に買い物をしながら、メモをもとに商品をカゴに入れてもらったり、会計が終わった商品を袋に入れてもらったりするところから始めるのがおすすめです。
子どもの様子をみながら、スモールステップ方式で徐々に任せる部分を多くしていきましょう。部分的にでも役割を任せてもらうことは子どもにとってもうれしいこと。それを積み重ねていくうちに買い物にも慣れ、やり方が身についていくことも多いようです。
ある程度慣れてきたら、お店への行き帰りは一緒に行き、店内へは子どもが一人で入り商品を買ったら出てくる、というチャレンジをしてみるのもよいかもしれません。お店への行き帰りでは交通ルールについても確認し、約束事を決めて通るたびに確認するようにしましょう。
おわりに
一人で初めてのおつかいには7〜8歳ごろが適しているようです。しかし「一人で」はまだ先でも、おつかいを部分的に担っていくことは幼児期からでも可能です。少しずつ段階を踏みながら「初めて」に備えていきましょう。
ピックアップ
メンタルコーチとwebライターの兼業をしている40代ワーママです。夫と息子との3人家族。東京生まれ東京育ちの大阪府民です。電車と食べることとヘンテコな踊りと絵本が大好きな、まもなく5歳の息子のお蔭で親として日々成長中です。息子が寝る前に習慣としてつづけてきた絵本の読み聞かせが、もうすぐ通算650冊になります。
Mme_barbon(マダムバルボン)は息子が好きだった絵本『ワニのバルボン』シリーズが由来です。
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。