少子化が叫ばれている昨今ですが、それでも待機児童問題は一向に解決する気配を見せません。それではいったいなぜ現在の日本では、少子化なのに待機児童が多いという逆転現象が起こってしまっているのでしょうか。日本が抱えている、少子化の本当の意味とはどういったことなのでしょうか。待機児童の問題と少子化の問題について順番にお伝えしていきます。
待機児童はなぜ解消されないのか
長い間問題とされているのになかなか解消につながらない待機児童。それではいったいなぜ待機児童は一向になくならないのでしょうか。現在の日本が抱えている大きな課題である待機児童問題について詳しく見ていきましょう。
そもそも待機児童問題とは何なのか
待機児童とは、親の仕事や家庭の都合で認可保育園への入園を希望しているのにもかかわらず、定員超過のために入園することができない子どものことであり、特に都市部で多くなっています。2016年2月、インターネット上での「保育園落ちた、日本死ね」という匿名の書き込みを発端に、待機児童問題としていわゆる「保活」の厳しい現状が浮き彫りになりました。
憲法で居場所が確保されていない未就学児
海外では子どもは、就学前であっても一人の人間としての権利があります。しかし、日本では現状未就学児は義務教育に当てはまらず、居場所を求める権利やそれを定める国の義務も皆無であるといえます。したがって、憲法により小学校には必ず全員の子どもが入学できるけれども、保育園は入れない子どももでてきてしまう現状にあるというわけです。
長く続く不況と、雇用状況の悪化
日本では景気が回復しているといわれつつも、実際は不況の状態が長く続いています。昔の日本では会社は年功序列、お父さんは年々給料が上がり、お母さんは家で家事と子どもの面倒を見るというのが一番多いスタイルでした。しかし不況が長引く現在、雇用も不安定となり、お母さんも外で働かざるを得ないという状況が増えてきたのです。共働きの家庭が専業主婦家庭を上回り、子どもを保育園に預ける家庭が増えてきたのです。
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日本はなぜ少子化が進む一方なのか
次に、日本はなぜ少子化が進んでいるのかという問題についてみていきましょう。少子化が進む原因にはいくつかありますが、いずれも現代の日本が抱えている問題や不安が、大きく家族計画に絡んでいる結果といえます。
参考:内閣府 http://www8.cao.go.jp
少子化が進む原因その1 若い世代の未婚・晩婚化
少子化が進む原因の一つとされているのが、そもそも若い世代の未婚・晩婚が増えているということにあります。働く女性の増加により初婚年齢も年々上がってきており、女性の初産の平均年齢も30歳を超えています。さらに価値観の多様化により、独身の自由さや気楽さを求める人が多くなってきていて、必ずしも人生において結婚をすることを重要視しない人が増えているのです。
少子化が進む原因その2 子育てへの経済的な不安
少子化が進む原因としては、子育てに関する経済的な不安ということも大きな要因の一つにあげられます。子ども一人を大学まで行かせるために必要な養育費は一千万円を軽く超えるといわれていますので、とても2人、3人と複数の子どもを育てることができない、そもそも子どもにかけられるお金がないという経済的な理由から子どもを断念する家庭もあります。
少子化が進む原因その3 進む核家族化
一つの家庭に2世帯、3世帯で住むことが当たり前であった一昔前に比べ、現在ではおじいちゃん・おばあちゃんと一緒に住まずに離れて暮らす家族が多くなってきています。このような核家族の増加により、家庭内に昔のように子どもの面倒を見ることのできる大人が少なく、夫婦二人だけで育てられる子どもの数が減少してしまったという背景があります。
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二人の男の子の母です。もともと野球ファンでしたが、今は息子の影響ですっかりサッカー狂になりました。
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