夫婦別財布でも育休を乗り越えるためには?
夫婦別財布だと妻が育休に入ることで、トラブルが発生してしまいがちです。夫が多く払えれば良いのですが、貯金がなく対応できない場合もあります。こうした事態を防ぐためには、事前の準備が欠かせません。夫婦別財布でも、育休を乗り越えるためにできることをまとめました。
育休を見据えて月にいくらか貯金しておく
育休対策のためにおすすめなのが、育休に備えて貯金をしておくことです。育休用のお金が用意できていれば妻の収入が下がっても、夫の貯蓄がなくても対応することができます。そこで、月々の支出分とは別に、育休用に「月々それぞれ◯万円を貯金する」とルールを決めておきましょう。育休に備えた貯金用の口座を開設しておけば、より安心ですね。
イレギュラーが起こった時の想定をしておく
結婚生活を送っていると、育休に限らず急な入院などイレギュラーな事態が起こる可能性が十分あります。そこで、急な出費ができた場合はどうするかを二人でよく話し合っておきましょう。急な出費は収入が多い方が多めに出す、イレギュラーに備えた貯金をしておくなど夫婦によって対処法はさまざまでしょう。イレギュラーの事態を想定しておけば、それぞれがお金を使い過ぎず、万が一の場合に備えるようになるというメリットもあります。
育休手当についてしっかり調べる
妻が勤めている会社によっては、育休中に一定の手当が出るでしょう。この手当について育休に入ってからではなく、あらかじめ知っておくとトラブルを防ぐことができます。月々いくら入ってくるのか、途中から減額することがあるかなど、毎月いくら収入が入ってくるかを具体的に知っておくと、育休に入った時の家計のやりくりが見えてきます。ぜひ自分だけではなく、夫にも共有しましょう。
育児休業給付 1カ月の金額
育児休業給付の1支給単位期間ごとの給付額(※1)は、以下の方法で算出します。
正確な金額はハローワークにご提出いただく雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書により、休業開始時賃金日額が確定し、算出されますが、1支給単位期間において、育児休業期間を対象とした賃金の支払いがない場合の支給額は、育児休業開始前6カ月間の総支給額により、おおむね以下のとおりです。
【平均して月額15万円程度の場合】
育児休業開始から6カ月間の支給額は月額10万円程度、6カ月経過後の支給額は月額7,5万円程度
【平均して月額20万円程度の場合】
育児休業開始から6カ月間の支給額は月額13,4万円程度、6カ月経過後の支給額は月額10万円程度
【平均して月額30万円程度の場合]
育児休業開始から6カ月間の支給額は月額20,1万円程度、6カ月経過後の支給額は月額15万円程度
※1 給付額には上限があります。また、育児休業期間中に賃金が支払われていると減額される場合があります(問9参照)。
※2 休業開始時賃金日額は、原則として、育児休業開始前6カ月間の総支給額(保険料等が控除される前の額。賞与は除きます。)を180で除した額です。
※3 1支給単位期間の支給日数は、原則として、30日(ただし、育児休業終了日を含む支給単位期間については、その育児休業終了日までの期間)となります。
おわりに
夫婦別財布とは、それぞれの収入を別々に管理することです。共働きの家庭が増えたことで夫婦別財布にする家庭も増えました。経済的な自由がそれぞれ確保できるのがメリットですが、お互いの経済事情が分からないために、妻が育休に入り収入が減るとバランスが崩れ、経済的なトラブルが発生しやすくなります。いつ子どもを授かっても良いように、育休を見据えて夫婦で話し合いや対策を用意しておきましょう。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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