東京都が区市と連携して主催している「育休パパ・ママの職場復帰セミナー」が行われ参加してきました。毎年行っている人気のセミナー。育児と仕事を両立する上での心構えやポイントについて『育休後コンサルタント®』 山口理栄さんから力強いアドバイスをもらい、職場復帰の不安を軽減するセミナーです。育児休業中の方が20名ほど参加され、ほとんどの方がお子さま連れでした。今回はこのセミナーの内容をレポートします。
※記事の最後には今後のセミナー予定がのっています。
講演
当日は託児所も完備されているので、安心してセミナーを受講できます。
育休2回取得、企業で26年間働いて見えてきたもの、管理職を引き受けた経緯など山口さんの体験を交えながらお話しいただきました。
- 講師 育休後コンサルタント® 山口理栄
- 場所:中野駅:中野区産業振興センター
- 受講料:無料
- 対象:育児休業中の方、おおむね1年以内に育児休業を取得予定の方(配偶者の方も歓迎)
- 託児:無料、対象:生後6カ月~6歳(未就学児)
こんなにかわった!子育てと仕事の意識の変化
育休後コンサルタント®の山口さんのキビキビした声が響き渡りセミナーがスタート。まずは最近の育休の動向から説明されました。
出産しても仕事をやめない女性社員が増加
出産後に継続して働く正社員の女性は2010年以降飛躍的にのびて約7割の女性が就業を継続しています。これは正社員女性にとっては出産後も働き続けることが当たり前になってきたということです。また、昔と比べると制度や環境も整ってきたといえるでしょう。
乳幼児の育児と仕事を両立することはとても大変なので、まわりからのサポートを受けてなんとか続ける。そして子どもがある程度大きくなったら今度はサポートをする立場にならなくてはいけない。そうすることで後輩たちも子育てをしながら仕事を継続できるようになるのです。
男性社員の意識も最近では変化がでてきました。配偶者のサポートや家事・育児のために出産後2カ月以内に休暇を取得した男性は55.9%もいます。
さらに新入社員では子どもができたら育休をとりたい、できたらとりたい男性は6割にものぼります。
育休を取りやすい業種は金融業、保険業、情報通信業で、政府の目標である2020年に13%という数字を2017年ですでに達成しています。
どうなる!復帰後の働き方
時間制約がある働き方で最も気をつけることは「育休や時短は何のための制度なのか?」を考えて利用するということです。休みたい人が長く休むための制度ではなく、働きたい人が長く働き続けるための制度だということを認識してください。
また、長い目で見たときのキャリア展望を持つことも大事です。仕事での目標や将来像を持ち、上司とも意識合わせをしておくことが大切です。
時短はいいことばかりではなく、マイナス面もあります。給与は減りますし、評価に納得できないこともあるでしょう。周りのみんなが忙しくしている時に先に帰る後ろめたさもあります。プラス面とマイナス面をしっかり天秤にかけて、どう使ったら自分にとってトータルでメリットがあるのかをよく考えましょう。
差があり過ぎ!上司たちの育休意識
育休後に職場復帰するならば両立の環境を共有するために上司と「育休後職場復帰面談」をしてください。
「保活」という言葉を知らない上司も存在します。
復帰後の働き方の確認、夫や祖父母などとの協力体制、子どもが病気になったときの支援体制・・・。
上司が知らないことを直球で伝えておくことが大事です。ここをおろそかにしておくと上司が子育てに配慮をしているという名目で本来任さなければいけない業務をさせてもらえないという事態に陥ってしまいます。上司はよかれと思って過剰な配慮をしてしまうことも多いのです。
例をあげてみましょう。
- 復帰前:提案、企画の業務 → 復帰後:ルーティンワークがメイン
- 復帰前:外回り → 復帰後:内勤
- 何も仕事がないのでヒマで時間を持て余す
- 能力以下の仕事がくる
- 飲み会にこなくていいと言われる
過剰な配慮をされていると最初は楽ですが、「今までのような仕事ができなくなった」「自分は会社にいる意味があるのか」と意欲と自信を失い、マミートラック(注)に陥ってしまう可能性もあります。そんなときはすぐに行動をおこし自分ができる仕事への貢献案を上司に提案したほうがよいでしょう。
注:マミートラックとは:働く母親が職場復帰後、仕事のやりがいを失ったり、昇進・昇格から遠ざかったりする現象をさす。
上司と面談する際には「育休後職場復帰面談シート」を沿って進めていきましょう。
同僚の残業を横目に退社
残業はできない、保育園からの突然の呼び出し・・・など。自分だけ帰ったり、休んだりすることを申し訳ないと悩まないようにしてください。
数年たてば子育てモードも終わり、自分がサポートにまわれるときが必ずきます。それまでは周りの配慮に感謝して、いつか貢献したい、という意識を維持していきましょう。
育休中に夫婦で話し合っておくべきこと
奥さんが職場復帰するならば夫婦で必ず話しあってほしいことがあります。
お互いの考え方を伝え調整し、妥協点を見つけてください。
- それぞれがどう働いていきたいのか
- 相手(自分)のキャリアのために自分(相手)のキャリアを犠牲にしていないか
- そのために、互いの働き方(時短、フレックス、時差出勤、在宅勤務などの制度の使い方)をどう変えていくか
- 育休復帰後の夫婦の育児分担をどうするか
育休復帰後の夫婦の育児分担
復帰後の育児の分担で勤務時間や休暇頻度に直結する大事なポイントは以下の3点です。
「保育関連分担表」を使って役割を決めていきましょう。
保育園の送迎
送迎ともにパパかママのどちらか一方がするのではなく、夫婦で分担しましょう。
送りをパパがしてくれれば、ママが朝早めに職場にいけます。お迎えがパパならママはその日は仕事を終わらせてから帰ることができます。
保育園からの呼び出し
発熱などで保育園から呼び出し電話があるときの、最初の連絡先はパパ(または呼出対応で帰りにくい方)の携帯番号にしましょう。
ママ(または呼出対応で帰りやすい方)が呼び出し対応でお迎えに行く一方、パパは翌日仕事を休む準備をしてから帰ってくれば、翌日も熱が下がらなかった時に交代でパパが休み、ママは出勤できます。
子どもの病気
子どもが病気になったときの対応は、以下のようなケースが考えられます。
病児保育・病後児保育は事前の登録が必要になります。また費用もかかりますので事前に調べておきましょう。
- 夫婦が交代で休んで子どもの対応をする
- 病児保育・病後児保育に預ける
- ベビーシッタに依頼する
- 祖父母に依頼する
さあ、育休後からはじめよう
- 甘えを捨て自分の力で人生を切り開いて行こう
- そうはいっても、両立は大仕事。三つの「あ」で乗り切ろう
- 第一号になる勇気を持とう
- 育児との両立はキャリアの阻害要因ではなく「筋トレ」。継続していけばいつのまにかひと回り大きい自分になれる
- 積極的に母の背中(父の背中)を見せよう
→出産前と同じように働けなくても『あせらない』
→予期せぬことが起きても 『あわてない』
→将来の夢を 『あきらめない』
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