風疹は、子どもの病気というイメージがある方もいるでしょう。確かに多くの子どもが風疹にかかっています。そのため、子ども向けに予防接種が行われることもありますよね。しかし、風疹は子どもだけの病気というわけではなく、成人もかかることのある病気です。特に昨今、成人男性の風疹患者が増えているといわれています。
今回は、成人男性の風疹を中心にまとめてみました。大人は風疹にかからないと思っていた方は、必見です。
現在成人男性の風疹患者が急増中!
まずは日本における、成人男性の風疹患者数について、その実態はどうなっているのでしょうか?風疹は子どもの病気だと思っていた方ほど、その結果に驚くかもしれません。また、風疹の特徴などもご説明しますので、しっかりと把握していきましょう。
風疹とは風疹ウイルスによる感染症
風疹は、風疹ウイルスというウイルスによる感染症です。風疹ウイルスに感染して風疹にかかると、体に赤い発疹ができます。その他軽い発熱や頭痛などの症状もあり、子どもが風疹にかかるよりも大人がかかった場合に、症状が強くなるといわれています。風疹ウイルスは飛沫(ひまつ)感染で、感染者の唾液などに触れて感染する他、妊娠中の女性がそばにいると、おなかの中の赤ちゃんにも感染してしまう可能性も高いのです。
風疹患者の6割以上は30〜50代男性
実はある統計では、風疹患者の6割以上が30代〜50代の男性という結果が出ています。それを考えると、風疹が子どもの病気というのはただのイメージに過ぎず、成人も風疹にかかることがうかがえます。
そのため、特にこの年代にあてはまる男性は、風疹感染に注意しなければなりません。また、30代〜50代男性の風疹患者が6割ということですから、成人男性全体で見ると、もっと割合が増えることでしょう。
もちろん女性にも風疹感染のリスクがある
風疹にかかるリスクは男性だけではなく、もちろん女性にもあります。風疹に感染するかどうかは、風疹に対する免疫があるかどうかが重要であるとされています。つまり、これまでに風疹にかかったことがない方や、予防接種をしたことがない方などは、免疫がないということになるのです。
確かに、統計上は成人男性の風疹患者が多いということが分かっています。しかし、それは女性が風疹に感染するリスクが低いということにはつながらないので、十分に注意をしましょう。
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女性が風疹にかかりやすい環境や注意点とは
風疹は飛沫(ひまつ)感染という特徴があることから、誰でも感染する可能性が高い病気だといえます。社会に生きる私たちは、何かしらの形で、人と触れ合いながら生活しています。そのため、風疹にかかっている男性から女性が感染するという状況も、めずらしくないのです。女性が風疹にかかりやすい環境や注意すべき点についてお話します。
配偶者から風疹が女性に感染することも
成人男性患者が多い風疹ですが、一緒に暮らしている妻に感染することも十分にありえます。風疹は飛沫(ひまつ)感染と唾液による感染で広がっていきますが、夫婦は一緒の空間にいることが多いですし、食事の際に飲み物を回しのみしたりする場合もあるかもしれません。そのような環境下にいると、比較的簡単に感染してしまいます。
風疹に対する免疫がないかもしれない女性は、配偶者が風疹にかかったときには細心の注意を払う必要があるといえるでしょう。
特に注意すべきなのは妊娠中の女性!
配偶者が風疹になってしまったら、妻も感染確率が高くなります。そのような状況にいる場合に、一番気をつけなければならないのは、妊娠中の女性です。なぜなら、妊娠中の女性が風疹にかかると、おなかの中の子どもまで風疹になってしまうからです。まだ抵抗力がなく、体がきちんと出来上がっていない胎児が感染してしまうと、以下に説明する「先天性風疹症候群」になる恐れもあるので、より予防に気を配らなければなりません。
「先天性風疹症候群」とはどういうもの?
「先天性風疹症候群」とは、風疹ウイルスの影響で、さまざまな先天的な障害を持って生まれてきてしまった症状をまとめた呼称です。先天性風疹症候群には、先天的な白内障や心疾患、難聴などが含まれています。また、子どもはどれか一つだけを患うとは限らず、複合してさまざまな症状を併せ持って生まれてくることもあります。
風疹は予防ができる病気ですので、生まれてくる子どものためにも、親はできる限りの対処をしておきたいですね。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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