コロナ禍の出産の問題点と支援について
出産は心身ともに体力を使う出来事ですし、非常事態と言えるコロナ禍においては今までよりも出産関連のことに関して、よくよく配慮する必要があります。しかし、考えすぎることで起きてしまう問題点もありますし、それを改善するための支援を整えることが大切です。
出産する人が減少傾向になっている可能性が
厚生労働省の2022年度の人口動態調査によると、前年より出生数が減少していることが分かっています。
上記に紹介した全国76の産院の調査でも、お産の初診人数の変化尋ねてみると、「まあ減った39.8%」と「かなり減った9.6%」となっており、この2つを合計すると約50%の産院で、初診人数が減ったというデータが示されているのです。
コロナ禍の影響による産み控えなどが原因で、出生数が減少している背景がうかがえると言えます。
妊婦さんが孤独を感じている場合がある
家族の面会などが思うようにできないせいで、妊婦さんが孤立化し、悩みを相談したり不安を分かち合えたりする機会が減っているという問題点もあります。
そのため、コロナ禍以前のように積極的に心理的不安を吐き出せる機会が少なく、孤独を感じやすくなり、妊婦さんの心身に影響を及ぼしやすい状況もクローズアップされているのです。
安心して出産を迎えるためのサポートも始まっている
今までと生活様式が変化したコロナ禍においても、妊婦さんやその家族が穏やかに出産を迎えられるように、多くの産院が新たなサポートを提供し始めています。
例えば、リモートによる母親・両親学級の開催やリモート立ち合い出産などの実施が進んでいるのです。人と人が実際に会わなくても、今まで受けていたサポートを受けることが可能な環境が整えられ始めたことは、妊婦さんたちにとって大きなメリットになるでしょう。
おわりに
出産はお母さんやお父さん、お互いの家族にとって人生の大きなイベントです。ただ、現在のコロナ禍のような出来事が起こってしまうと、さまざまなことに戸惑うことが多くなるでしょう。そのため、不安を少しでも解消するには、出産に関連する情報収集などを入念に行うことが大切になります。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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