「孤育て」とは、育児中にママが孤立する状態を指す言葉です。パパや周囲の助けを得られず、実質一人で子育てを担っているママたちのことです。“孤育てのきっかけとは、どういったことでしょうか?また、孤立化を防ぐために、周囲の人たちやママ本人にできることはあるのでしょうか?今回は、孤育ての原因と対策、公的な育児支援についてご紹介します!
新たな社会問題⁉「孤育て(こそだて)」とは
孤育てという言葉が話題になっています。孤立状態の育児を指す言葉です。パパや周囲の助けを得られず、実質一人きりで子育てをする「ワンオペ育児(ワンオペレーション育児)」が話題になったのも、記憶に新しいですよね。ここにきて登場した孤育て。取りざたされる理由は何でしょうか?
ワンオペ育児に孤育て…ママたちがピンチ!
ワンオペ育児と孤育ては似たような言葉ですが、少しニュアンスが違います。ワンオペ育児は、ママたちへの負担に注目した言葉。一方、孤育ては育児のあり方や家庭環境にクローズアップする言葉です。
子育て中のママは家事や育児に追われる毎日。特に小さいお子さんがいるご家庭では、育児に関わる時間・労力は膨大なものです。にもかかわらず、仕事の都合などでパパには協力してもらえず、すべての負担をママが一人で引き受ける…このようなワンオペ状態のご家庭が増えています。核家族化が進んでいるのも要因のひとつです。
ワンオペ育児が深刻…こんなフレーズをニュースなどで聞いたことも、一度や二度じゃありませんよね。
一人きりで孤育てしているとどうなる?
ママ一人で家事育児をするのは大変です。とはいえ、物理的な負担だけなら家事を時短にしたり、時には外注サービスを利用したりで、乗り切ってしまうご家庭が多いのではないでしょうか。
筆者の夫も残業や休日出勤が多く、近所に親戚もいないため、基本的に一人で家事育児をしています。そんな状況でもネットスーパーを活用したり、お掃除ロボットなど家電を駆使したりで何とかこなしています。
しかし、問題はそれだけじゃない!と待ったをかけるのが「孤育て」という言葉です。ママが子育ての苦労や悩みを抱え込み、物理的にも精神的にも閉じこもってしまう状態。こんな「孤育て」の状態が続くとママ本人にとってつらいだけでなく、子どもにも良くない影響を与えてしまいます。
合わせて読みたい
孤育てが良くない二つの理由
孤育ての心配な点は二つあります。まずはママが孤独になってしまうこと。そして親子が孤立することによって、子どもも影響を受けてしまうことです。ママの精神状態は子どもの気持ちに大きく作用します。つまり孤育てはママ一人の問題ではないのです。
孤育てはママを追い詰める!孤育てが危険な理由
子育て中のママは苦労の連続です。子どもの発達や発育、病気など…さまざまな問題に悩んだり、つまずいたりすることがありますよね。子育ての悩みを誰にも相談できないと、孤独感が募ってしまいます。
孤育てによるママへの影響
- 病気などいざというときに頼れる人がいない
- 子どもの異変に気付けるのがママ一人
- ママが子育てに関して責任を感じてしまう
普段は自分一人でやっていけても、子どもの急な体調不良やママ自身が病気になったときなど、非常事態での対応が大変です。また、子どもに関して悩みがあるとき、「自分の育て方に問題があるのかも」と、ママは自分を攻めてしまいがち。
これらの問題は孤育てに限ったことではありませんが、孤育ての場合、よりいっそう深刻です。
孤育ては子どもにも悪影響? 社会性に不安
続いて、子どもへの影響について考えてみましょう。子どもは周囲との関わり合いから、さまざまなことを吸収します。小さいうちはママと一緒にいる時間が長いのは、自然なことです。しかし、ママ一人としかコミュニケーションを取れないとなると、さまざまな心配があります。
孤育てによる子どもへの影響
- ママ以外の人から情報や刺激を受けられない
- 年の近い子どもと遊ぶ機会が少ない
- 集団行動に溶け込めない
特に心配なのは保育園や幼稚園に入園する時期。集団行動がスタートする時期は不安定になる子どもが多いものです。他人との関わり合いに慣れていない子どもの場合、集団行動に適応するのに時間がかかってしまうかもしれません。
合わせて読みたい
30代、保育士。夫と未就学児の長男・小学生の長女の4人家族。初めての出産で分娩トラブル、乳腺炎、産後クライシス、保活失敗など…数々の「洗礼」を受けた経験から『特別なことをするのではなく、地に足の着いた育児』をモットーに、日々奮闘しています。現在は認定こども園で働く傍ら、ライター業にも従事。
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。