余裕が無くても、子どもにしてはダメな叱り方
どの年代の子どもを持つ親も、仕事に家事にと毎日忙しく過ごしています。そのため子どもの話を聞いてあげたいと思っていてもなかなか難しい上に、言うことも聞いてもらえないとついカッとなるかもしれません。しかしそういう状況にあっても、してはいけない叱り方だけはきちんと理解しておきましょう。
子どもの人格を否定する?り方
子どもを叱る上で最もしてはいけないことは、子ども自身を否定することです。「役に立たない」「グズ」「頭が悪くて何もできない」などという言葉は、子どもを叱っているのではなく、単純に親の感情をぶつけている言葉の暴力だといえます。
こうした言葉を言われても子どもは自分の何が悪かったのか理解できませんし、徐々に「自分がダメな人間だから親が怒ってくるんだ」と思うようになります。その結果、自己肯定感の低い子どもになりやすく、自信を失って心に壁を作ってしまいがちです。親は子どもに純粋に何が悪かったのか、もうしないためにはどうするべきかを諭してあげてください。
子どもの話を聞こうとしない叱り方
子どもが何歳だったとしても、子どもなりに意見というものがあります。こう思ったらこういうことをしてしまった、ごめんなさいなどと子どもなりに親に伝えたい言葉はたくさんあるのです。しかし親の怒りに任せて「聞きたくない」と言ったり、無視をしたりするような叱り方はNGです。
子どもにとって、親は無条件に自分を愛し受け入れてくれる存在として認知しています。だからこそ子どもをまるごと否定するような態度はやめましょう。1つ深呼吸をしてから、子どもの顔を見て話を聞いてあげてください。
「うるさい」「黙れ」など高圧的に接する
親という存在は、子どもにとっては非常に脅威に感じることがあります。叱られているときは、普段はどんなに優しい親でも怖く、子どもの気持ちは萎縮してしまうことでしょう。その中でも、自分の気持ちを話そうとしたり、泣いてしまったときに「うるさい!」「黙れ!」と存在をつぶすような言い方や態度を取られたら、もう子どもは何もいえなくなります。叱るというのは、子どもを黙らせ、ねじ伏せることではないので、親の言うことを聞かないのだから高圧的に接してもいいという感覚は取り除いてください。
子どもにとって親は唯一無二の存在ですので、子どもの気持ちは尊重してあげましょう。
おわりに
子どもとの関わり方で、どうしても叱り方に関しては多くの親が頭を悩ませています。本当は心に余裕をたっぷり持って接してあげたいけれど、日々の生活で焦燥感の中で生きている人がほとんどです。ただ、子どもには親しかいません。叱ることも認めることも親にしかできないことなので、子どもの気持ちを配慮しながら叱るように意識を向けてみてくださいね。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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