事実婚で不利益になるということはないの?
ここまでご紹介してきたように、事実婚で生まれた子どもは手続きをしないと子ども父親を結び付けられないので、都度自治体や裁判所などに申請を行う必要があります。それ以外の面では結婚した夫婦から生まれた子どもと大きな違いはありません。
扶養、相続は法律婚の子どもと同じ
正しく認知が行われていれば、子どもを健康保険の被扶養者に入れることができるなど、扶養や教育、相続の面について結婚した夫婦の子どもと同じように扱われます。
また、以前はもし父親が死んでしまった場合、事実婚の子ども(非嫡出子)は法律上の子ども(嫡出子)の半分しか財産を相続できないという不利益を受けていました。しかし平成25年に民法が改正され、父親の子どもであれば、嫡出、非嫡出にかかわらず同じ配分で財産が分け与えられるという法律に代わっています。
ひとり親世帯向けの手当はもらえない
子どもを一人で育てている人に対しては、生活を助けるためひとり親支援として児童扶養手当を支給しています。事実婚で生まれた子どもは法律上ではひとり親となってはいますが、事実婚の子どもに児童扶養手当は支給されません。
事実婚の夫婦は一緒に生活して二人で一緒に子どもを育てていこうとしているので、もし手当をもらっていたら不公平ですよね。一般的には同居をして生活費のやりとりがあるなど、夫婦として生活している実態があればひとり親向けの支援の対象にはなりません。
事実婚を解消する際も離婚と同じ請求ができる
法律上結婚している夫婦と同じように、事実婚の夫婦でも離婚する可能性があります。事実婚を解消する場合、特別な手続きは原則必要ありません。しかし子どもの親権をどちらが持つかについては通常の離婚と同じように話し合う必要があります。
また、もしも不当な理由で事実婚が解消された場合には、慰謝料や養育費を請求することができます。
おわりに
事実婚の夫婦が子どもを持った場合、各種の手続きを行っていれば結婚している夫婦が子どもを持ったときとほぼ同じように生活することができます。ただし、親権をどちらかの親一人しか持てないところはデメリットにあげられます。これから法律や制度がどのように変わっていくのか注目したいところですね。
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30代後半のママライターで夫、5歳娘、3歳娘、2歳息子の5人家族です。セットメーカーで技術者として10年ほど勤務していましたが、出産と夫の転勤が重なり退職。実家から遠く離れた土地で生活しています。子育てのポリシーは毎日が面白ネタです。大変なこともありますが、日々ボケと突っ込みで乗り切っています。また、できるだけ家族が揃う時間が作ってコミュニケーションを大切にしています。よろしくお願いします!
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