【ヨコミネ式教育法】「すべての子どもが天才である!」その秘密とは?

ヨコミネ式教育法
「ヨコミネ式教育法」は、鹿児島県で保育園などを経営する横峯吉文氏が提案した幼児教育法。「心の力・体の力・学ぶ力」を育てることで、子どもの可能性を引き出すというものです。数年前、逆立ち歩きをする園児たちの姿がテレビでも紹介されて大きな話題になり、ヨコミネ式を取り入れる幼稚園や保育園が全国に広がりました。ヨコミネ式教育法がどのようなものか、なぜ人気なのかを探ってみたいと思います。

三つの力を身につけさせるヨコミネ式教育法

原っぱの女の子
「ヨコミネ式教育」は、横峯吉文氏が自ら経営する保育園で実践してきた幼児教育法。「すべての子どもが天才である!」をモットーに、子どもの可能性を引き出し、自立した人間を育てようというものです。自立した人間になるには、自ら考えて学び、行動する力を身につける必要がありますが、そのための手法としてヨコミネ式で取り入れられている方法が、とてもユニークなもの。ヨコミネ式では、子どもの可能性を引き出すため「心の力・体の力・学ぶ力」という三つの力を育みます。それぞれの力を育むための具体的な取り組みをご紹介しましょう。

ちょっとだけ難しいことが「心の力」を育む

「心の力」は壁にぶつかったときに乗り越えたり、他人を思いやったりできること。子どもが困っていても大人はすぐには手を貸さず、失敗も含めてさまざまな経験を積むことで、心が育つというものです。
ヨコミネ式教育法の指針に「子どもはちょっとだけ難しいことをしたがるもの」というものがあり、英語教育や計算、読書を取り入れていますが、「やらされている」という意識を子どもに持たせないよう配慮しています。
はじめはうまくいかなくても、ひとつでもできるようになると面白く感じ、もっとできるようになりたいと感じるもの。「できた! 楽しい!」という経験ができるようにサポートすることが、大人の役割なのです。

「学ぶ力」「体の力」を養うユニークな実践

マスコミなどで報道されているのは、「学ぶ力」「体の力」を養うための取り組みでしょう。「学ぶ力」は自分で学ぼうとする力のこと。この力を養うために、ヨコミネ式では幼児期に足し算や引き算、九九に挑戦したり、小学生向けの本を2000冊も読んだりする取り組みを行います。いわゆる「先取り学習」ではなく、自分から興味を持って学ぶことを目標にしているとのこと。強制されて取り組んだ学習で「学ぶ力」は身につかないというのが、ヨコミネ式の考えです。
「体の力」は体力や体の柔軟性。ストレッチやエビぞり、倒立などを取り入れた「ヨコミネ式体操」を実践しています。倒立しながら手で進む子どもの画像が、テレビなどで映し出されることが多いですが、高度な運動をいきなりやるわけではなく、体のバランスや柔軟性を鍛えながら、少しずつステップアップしていきます。

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ヨコミネ式で育った園児たちのその後は?

小学生の友達
横峯氏が約30年取り組んでいるヨコミネ式教育法ですが、この教育法で育った園児たちがその後どのように成長していったのか、気になるところですね。しかし、幼児期にある教育法が成長にどんな影響をもたらすのか、検証することは難しいところ。人間が成長するまでには、さまざまな要素が関わっているからです。「ヨコミネ式で子どもを育てた保護者や保育士の感想」というかたちでインターネット上に感想が寄せられているので、いくつか拾ってみました。

子どもの可能性を大人が実感できる

ヨコミネ式にメリットを感じている保育士や保護者の方からは「子どもたちに少し難しい課題を与え、それを一生懸命乗り越えようとする子どもにたくましさを感じる」「勉強が楽しい、できたという経験は子どもの世界を広げることになる」といった声が挙がっています。
また、「一見、できない子どもでも時間をかければできる。自分の力でできるようになったときの子どもの笑顔が何物にも代えがたい」と証言する保育士さんも。ヨコミネ式を通じて、子どもたちの力に大人が気づかされることが多いようです。親が子どもの成長―単なる暗記力や、指示されたことをこなす処理能力ではない「生きる力」を身につけること―を実感できる点が、ヨコミネ式教育法の人気の秘密といえます。

ハマらない子どもへの懸念、ケガのリスク

子どもの可能性を実感できるとして、ヨコミネ式を称賛する声が挙がる一方、「大丈夫?」という声もあります。ひとつは「すべての子どもが逆立ち歩きや計算、読み書きといったヨコミネ式の取り組みに興味を持つとは限らない。興味のない子どもにとっては、楽しくない時間になる」という懸念です。これはヨコミネ式に限らず、一斉に同じことを行うカリキュラムに共通していること。横峯氏が理事長を務める保育園で、5歳児の1日の活動を見ると、かけっこや音楽、そろばん、本読み、体操とたくさんの取り組みが盛り込まれています。一部で「スパルタ」とも批判される要因でしょう。「自由活動の時間を増やしてほしい」と考える保護者の気持ちもわかりますね。

もうひとつがケガのリスク。幼児に倒立やブリッジなどをさせることで、骨折などのケガが多いという話もあります。保護者にとっては、ヨコミネ式教育法がケガのリスクに対してどのように対策を立てているのか、気になるところです。

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