【保育監修】学校に慣れた5月が危険!小学校1年生の交通事故が多い理由

保育記事監修者プロフィール:伊藤 先生のイラスト 伊藤美緒先生

保育士。学生時代に児童心理学を学び、幼少期の関わりがその後の人生を左右することに強い関心を持ち、自身の研究テーマとする。

3児の母で、長女の小受では全勝を果たす。現在6年目となる保育現場や幼児教室で本領発揮し、周囲から絶大なる信頼を得ている。

生活教育こどもと幼児園 http://kodomoto.tokyo/


子どもの交通事故

交通事故総合分析センターのデータによると7歳の子どもが歩行中に交通事故による死傷に至る人数は、他の年齢の約2倍から2.5倍も多いという結果が示されています。7歳といえばちょうど小学校1年生が誕生日を迎えた年齢です。いったいどうしてこんなことになってしまうのでしょうか?自分の子どもを危険から防ぐためにも、交通事故の理由をよく調べてみましょう。

データから交通事故の現状を知ろう!

一人で登校
普段はまったく縁のない交通事故ですが、現状を知ることで何か対策が打てるかもしれませんね。平成27年度の交通事故総合分析センターのデータに基づいて、交通事故に遭ってしまった年齢や人数を具体的にみていきたいと思います。

どのくらいの1年生が事故に遭っているの?

歩行中の交通事故による全死傷者数は56,962人でした。多いのはやはりお年寄りで、65歳以上の方で18,375人も占めています。ところが、5歳刻みでみていった場合には、5歳から9歳の層が最も多く4,853人です。その中で7歳に限っての死傷者数は、1,400人となっておりどれだけ7歳の子どもの事故が多いのかということがわかります。

いつ、子どもは交通事故に遭っているのか?

7歳児の歩行中の交通事故を、明け方、日中、薄暮時、夜間の四つの時間帯に分けてみたデータがありますが、日中が73%、薄暮時は20%で、この二つ合わせると93%にもなります。この時間は、曜日別にみても平日が土日の2倍から2.5倍と多くなっています。一人で行動している可能性が高い時間帯ですが、親の目の届かないところで危険な目に遭ってしまっているということですね。

何をしている時に交通事故に遭うの?

小学校になるとほとんどの子どもは、親と一緒ではなく子どもだけで登下校をするようになりますね。この登下校中の事故が一番多いようです。ですが、それに継ぐ件数の事故は、遊んでいる時、または、友達など誰かの家との移動中に起きています。実際に事故にあってしまったからデータとして数値がでてきている訳ですが、大丈夫だったけれど危険な目に遭ったという件数は表面にはでてきません。そういった数値を入れると、かなりの数になるのではないのでしょうか?

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7歳が事故に遭いやすい理由とは?

横断歩道を渡る
多くの子どもが6歳で小学校に入学、1年生での誕生日を迎えて7歳になります。つまり、入学したことにより一人で出掛けることが多くなり、しかもそれに慣れ始めてきた頃が、今回データ上で問題となっている7歳であるといえるでしょう。

小学生歩行中の発生月別死者・重傷者数(H26~H30年合計)
1年生事故月グラフ

1年生が事故にあう第1のピークは5月中旬から下旬で下校中と私用での外出時。学校にも少しずつ慣れてきた時期ですので親子で再確認しましょう。

子どもは熱中すると周りに目がいかない

「飛び出し注意」のように書かれた看板をみたことがあるでしょうか?これは主に子どもが飛び出してくるから気を付けようと、車のドライバーや自転車の人たちに向けたものですが、それだけ子どもの飛び出しが多いということですよね。大人と一緒の時は、飛び出そうとすると注意ができますし、一人で行動し始めた頃は、まだ、気を付けて行動していました。それが、少し慣れてくると遊びに夢中だったり、離れた友達や目的地だけをみて急いでしまったりするので、注意することを忘れてうっかり飛び出してしまうようです。

小さいので気が付いてもらえない

信号が青になったから渡ったのに曲がってきた車にひかれそうになった、ひかれてしまった、このようなことが実際には起きています。大人と一緒なら車のドライバーは気が付きますが、子どもだけだと小さいので死角になってしまうこともあり、見過ごされてしまうことがあります。手をあげて渡っていたにも関わらず、事故に遭ってしまう子どもも少なくありません。

経験が少なすぎて危険が察知しにくい

一度怖い目に遭うと子どもはこうすれば危険なんだ、と理解して次は注意するようになります。事故に遭わずに成長していった子どもでも、やはり1年生位の時に少なからずひやっとしたり怖い思いをしたりして何らかの経験を積んでいっているので、高学年になっていくと事故に遭う確率も減っていくようです。1年生では、この経験があまりにも少なすぎて、危険を察知しにくいといえるでしょう。

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