三人の子育てをしながら2015年保育士資格を取得し、モンテッソーリの保育園に勤務。 リトミックや全身を使ったアートなどが得意。自身の子育て経験を生かしながら、保護者の気持ちに寄り添った保育を目指している。保育記事監修者プロフィール:池田美樹 先生
近年では、待機児童問題も深刻化しており、新たに保育園を設置する地域も増えています。特に都心部でも、働くママのために認可保育所を新設するものの、園庭の場所をうまく確保できないという声も耳にします。
子どもを預ける場所は必要である一方、園庭がなくても子どもの運動量は足りているのでしょうか?今回はそんな疑問について考えていきます。
園庭がない保育園が増えている理由
産休・育休を経てスムーズに職場復帰するためには、子どもを預ける場所を確保しなければならない一方、十分に確保できずに待機児童が増えている地域もあるのが現状です。少しずつ保育園の数は増えているものの、園庭がない保育園が増えているのはどういった背景が関連しているのでしょうか?
都心ではビルなどに保育園が開設されることも
都心などで園庭を作るための十分な広さを確保できない理由には、地価が高いことやビル内に保育園が開設されることなどがあげられます。働くパパ・ママのために都心に保育園が作られるのも多いのですが、郊外のように広々とした面積を確保することは現実的に難しいでしょう。
利便性からするとビル内に保育園があることで利用者は多いと想定されますが、一方で園庭がない…という面を気にするママも少なくありません。
国の基準にあるただし書きがポイント
そもそも保育園とは、園庭の広さについて定められた基準があるのでしょうか?保育所の施設設備などで屋外遊技場の広さは、幼児一人につき3・3平方メートル(畳2畳分ほど)と定められています。一方で、ただし書きとして「近所の公園、神社の境内などで代替可」とも記載されています。
また、待機児童問題の影響もあり、移動の際に安全確保ができていれば必ず保育所に隣接している必要はない」と明記された文書も、国から地方自治体へ通知されています。そのため、保育園に必ず一定の広さの園庭がなければならないというわけではないのが現状です。
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園庭がない保育園が工夫している取り組み
園庭がない保育園でも、子どもができるだけ体を動かせるように積極的な取り組みをしています。主な取り組み事例について見ていきましょう。
お散歩の回数を多めに設定している
屋内での運動遊びももちろん大切ですが、子どもが屋外の空気を感じ、太陽を浴びて過ごすことも大切なこと。園庭がない保育園では、一日一回は外へお散歩に行ったり、近くの公園で遊ばせたりします。
2歳未満の乳幼児であれば、乳母車などに乗せて外の風を感じながらお散歩を楽しむシーンも見受けられます。
体操教室やリトミックなどを積極的に開催
保育園内の遊戯室などで、外部講師を招いて定期的に体操教室やリトミックなどを開催している保育園もあります。園庭の有無に関わらず実施している保育園もありますが、園庭がなくてもできるだけ体を動かす機会を設けるために行われている場合も多いです。
体の動かし方や楽しみ方を知っているプロが教えてくれるので、子どもたちもその日を楽しみにしているという声も耳にします。
系列の保育園などへ出向き定期的に屋外遊び
園庭がない保育園は、園庭がある保育園まで出向いて遊ばせてもらうこともあります。例えば私立保育園なら、社会福祉法人などが複数の保育園を運営している場合があり、同系列の保育園なら園庭を借りやすくなります。
体を使った遊びを取り入れる
園庭がなくても、室内で体を使った遊びをたくさん取り入れている保育園もあります。例えばハンカチおとしやフルーツバスケット、バランスゲームや柔軟体操、マット運動など、広いスペースがなくても行うことができます。子どもたちも楽しめて、よい運動にもなりますね。
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長男(小1 )・次男(年中)の二児を子育て中。総務・人事・経理などの事務職に従事し、産休・育休ののちに離職。その後フリーライターとして、出産育児・ビジネス・働き方関連・就職転職・地方創生など幅広いテーマを執筆しながら早4年目に突入しました。
男の子2人の育児に翻弄されつつも、我が子には「思いやりのある子・人の痛みのわかる子」になってほしいと願いながら慌ただしい毎日を過ごしています。
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