母親の愛情ある接触行動「マザリング」って何?

お昼寝する親子

マザリング(マザーリング:mothering)とは、母親が産後に行う養育行動のことです。赤ちゃんをあやしたり、日常のお世話をしたり等、主に赤ちゃんとのスキンシップ行為に代表され、赤ちゃんが成長する上で大きな役割を果たすといわれています。具体的に子どもにどのような影響を与えるのでしょうか。今回はマザリングについてご紹介します。

マザリングが育児に与える影響とは?

赤ちゃんとママ
マザリングによるスキンシップとは、母親が乳児に対して行う、授乳する・オムツを替えるといった物理的世話や、抱きしめる・話しかけるといったコミュニケーションなどを指します。つまり、母親が行う育児行動全般、およびその際に生まれる親子間の、スキンシップのことです。マザリングは、子どもが成長する上で「人格形成」や「身体・知能の発達」に大きな影響を与えるといわれています。

人格形成に与える影響「心の安定」

産後間もない新生児から、3、4歳頃までの乳幼児の期間は特に、子どもにとって母親(身近な養育者)から受けるスキンシップが少ないと、心身の発達に影響するといわれています。誰かに抱きしめられる安心感は大人でも感じることであり、小さな子どもにとってはその安心感が何よりも『心の栄養』となります。抱きしめられたり、触れ合ったりするなかで愛情を感じ取ることが「愛されている」「受け入れられている」という安心感・自信につながり、心の安定した人格がつくられるのです。そして、周囲への思いやりが持てるなど、穏やかな性格になりやすいとされています。

身体・知能の発達「社会性の助成」

マザリングによって心が満たされた状態で成長すると、「母親との心の絆」に自信が持てるようになるので、それまで「母親一色」だった状態から徐々に周囲への興味・関心を持ち始めます。そして次第に母親との触れ合いを脱し、別の環境(友だちや物)と積極的にコンタクトをとるようになります。心が安定しているため、友だちと上手にコミュニケーションがとれるようになるのです。友だちとの関係のなかで、仲良く遊ぶためのルールを理解し、譲り合うことを通して「知能が発達」し、さらに「社会性の発達」が助成されるといわれています。

周囲への影響「ママの心の安定」

マザリングによって心が満たされ安定するのは、子どもだけではありません。母親にとって小さな子どもの子育ては幸せな期間である一方、日々の家事や育児に追われ、子どもと上手にスキンシップをとれていないと感じるなど、子どものイヤイヤ期は特に子育てへの不安・ストレスを感じる期間でもあります。上手にスキンシップをとることで母親の心もいやされ、穏やかな気持ちで育児ができるようになります。マザリングは、母親と子ども双方にとって快適な空間を生み出してくれるのです。

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愛情伝わってる?スキンシップ不足のサイン

抱っこされる赤ちゃん
マザリング、つまり親子のスキンシップが重要だということがわかりましたが、母親(大人)が子どもに愛情を注いでいるつもりでも、子どもには愛情として伝わっていないこともあります。「スキンシップ不足」によって子どもが受ける影響は、「愛情遮断症候群」などの成長・発達の遅れにつながってしまうことも。ちゃんと愛情を伝えるためにも、愛情不足を感じている場合に子どもが見せるサインを知っておきましょう。

「指しゃぶり」は愛情不足を心配しなくてもよい

子どもは強いストレスや不安を感じると、手を口の近くに運ぶようになります。子どもが見せる「指しゃぶり」はストレス・不安をあらわす行動といわれ、子どもに対する「愛情」が不足していると心配される方もいらっしゃると思いますが、親の愛情には関係はないといわれています。指しゃぶりはその子のあったペースで減っていくようにすれば大丈夫です。ただし3歳を過ぎてもしょっちゅう指しゃぶりをしているようであれば早いうちに小児科医などに相談してみましょう。

感情の共有ができず「無表情」になる

子どもは笑ったり怒ったり泣いたりと、感じるままに表現し、その時の感情を母親や家族と共有します。子どもがよく「ママ!見て!」と言うのは一緒に笑ったり驚いたりしたいからです。忙しい場面が多く、つい「後にして!」を繰り返してしまうと、感動を共有する人がいなくなり、子どもは次第に表情が乏しくなってしまうのです。知らず知らずのうちに子どもが「孤独」を感じないよう、「ちょっと待って」は1日3回までとルールを決める、子どもからの問いかけには目を合わせて応えるなど、コミュニケーションの基本的な部分を意識してみましょう。

要注意!「黒い絵」は不安の象徴

子どもに絵を描かせると、明確に「精神状態」があらわれるといいます。子どもが自分のやりたいことを上手に伝えることができない場面で、その感情が色となって描かれるのです。黒色は「恐怖」や「抑圧」の象徴です。赤や黄色など鮮やかで明るい気持ちを与える色がたくさんあるにも関わらず、黒一色を選び、黒く塗りつぶすような絵を描く場合は、愛情不足による不安や強いストレスを感じている可能性が高いといるでしょう。子どもが黒い絵ばかり描く場合は、絵を描くことでため込んだストレスを発散している場合が多いため、無理にやめさせるのではなく描きながら会話によって、ストレス・不安の原因が何なのか、じっくりと話を聞いてあげることが大切です。

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