子どもが好きな動物として名前を挙げることが多い犬ですが、環境省が発表している、平成26年度の犬による咬傷(こうしょう)事故件数は4,364件にものぼっています。過去の件数から見ても横ばい状態となっている咬傷事故ですが、なぜ起きてしまうのでしょうか。また、親と子ども自身はどのようなことに気を付ければいいのでしょう。犬と上手に接するために必要な知識を身につけましょう。
犬による咬傷事故の被害状況と影響
咬傷事故を起こした犬の約90%が飼い犬であり、そのほとんどの被害者が他人です。また、咬傷事故が発生した状況の半数が通行中の事故と発表されています。つまり、飼い主と散歩をしている犬にかまれる可能性があるということです。では、なぜ咬傷事故は起きてしまうのでしょうか。
犬による咬傷事故が生む危険性とは
犬の咬傷事故ではかまれた傷だけでなく、二次感染症に苦しむことがあります。最近では、犬用ワクチンの接種が義務化、または、推奨されているため、重症化する病気の感染はなくなりましたが、傷口から細菌が入り感染症になる可能性があります。動物にとっては、なんともない細菌でも人間にとっては害がある菌も多くあります。そのため、犬にかまれたら流水でよく洗うようにしましょう。また、医療機関を受診することも推奨されています。
子どもは犬にかまれやすく危ない?
犬を怖がる子どももいれば、自分から近寄り犬を触りに行く子どもも少なくありません。そんな無防備な子どもが犬に触れたことがきっかけでかまれたケースもあります。子どもは身長が低いため、顔や頭などをかまれる可能性が高く、大きなけがにつながることもあります。そのため、子どもが犬に触れる際は、飼い主も親も注意しなければなりません。
かまれた子どもが気を付けるべき破傷風
日本では、破傷風の予防接種が義務付けられており、乳幼児期の三種混合や四種混合の中に含まれていますが、免疫力が低いと発症してしまう可能性があります。犬にかまれて起きる破傷風は、傷口からの感染がほとんどです。破傷風菌は神経毒です。主な症状としては、神経伝達機能の低下からまひや筋肉弛緩(しかん)などがあります。かまれた際は、傷口の消毒と早めの医療機関受診を心がけましょう。
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子どもがかまれないために気を付けること
犬の咬傷事故の原因はさまざまですが、通行中の事故では、子どもが犬に触れることや手を出したことで起きた事例もあります。そのため、犬にかまれないために子ども自身が気を付けるべきことがあります。また、子どもがかまれないように親もしっかり見ていましょう。
「触ってもいいですか?」と聞く気持ち
飼い犬のすべてが人を好きというわけではありません。また、飼い主以外に警戒心を持っている犬は多いです。そして人と同じように犬にも機嫌が悪いときなどもあります。飼い主の有無や犬種、大きさなどに関係なく、犬に触りたいときは「触ってもいいですか?」と許可を取るようにしましょう。犬をびっくりさせないように、犬自身に触わることを教えてから触れることが大切です。
飼い主がいない見知らぬ犬には近づかない
飼い主が近くにいない犬やリードがつながっていない犬には気を付けましょう。飼い主が近くにいないときや飼い主を待っているときは犬自身が緊張している場合があります。そのため敵対視されやすく、かまれてしまうことがあります。特に、スーパーなどで買い物をしている飼い主を待つ犬は、リードでつながれているため子どもが触に行きやすいです。勝手に手を出さないように注意しましょう。
食べているときや寝ているときの邪魔はしない
犬が人を敵対視したときのほかにも驚いたときや怒ったときにかんでしまう犬がいます。そのため、犬がなにかをしているときに邪魔するような行動は避けましょう。例えば、ご飯を食べているときや寝ているときです。犬は、自分のエサや自分の時間を取られると思い攻撃的になってしまいます。また、犬のおもちゃをかんでいるときや遊んでいるときも注意しましょう。
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10,8,2歳の男の子のママです。賑やかすぎる毎日を子どもたちと一緒に過ごしています。
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