近年、親子のスキンシップとして注目されている『インファントマッサージ』という言葉を知っていますか?赤ちゃんの肌はとてもデリケートなため、季節を問わずケアしてあげることが大切です。今回は、子育て中のママのために、インファントマッサージの歴史からやり方・効果まで詳しくご紹介します。
インファントマッサージについて知ろう
インファントマッサージ(Infant Massage)とは、1976年にアメリカ人看護師のヴィマラ・マクルアーによって考案されたマッサージの手法です。I.A.I.M認定インストラクターを養成するための機関である、国際インファントマッサージ協会でも定められているインファントマッサージ。一体どのようにして生まれたのでしょうか?
インファントマッサージ誕生の理由って?
インドの孤児院で働いていたことのあるヴィマラは、その時に学んだインド古来の赤ちゃんマッサージをベースにして、インファントマッサージを生み出しました。インドでは、赤ちゃんが生まれると、その家のおばあさんが赤ちゃんにマッサージをする習慣があり、そのふれあいが赤ちゃんの成長には重要であると考えていました。そうして、インド伝統のマッサージに、スウェーデン式マッサージ・リフレクソロジー・ヨガなどを取り入れたインファントマッサージを新しい育児法として確立したのです。
インファントマッサージは世界中で人気
当時からアメリカでは、青少年の凶悪犯罪など、多くの子どもの問題に悩まされており、自分たちの育児法に問題があったことを認め始めていました。専門家のティファニー・フィールド博士によって、インファントマッサージが子どもの成長に効果的であると実証されたことも手伝い、一気にアメリカ全土に広がりました。現在ではアメリカだけに止まらず、ヨーロッパなど世界約70カ国で活用されています。
ベビーマッサージとの違いは?
親子のスキンシップとして、赤ちゃんにマッサージをするという点では、ベビーマッサージもインファントマッサージも変わりはありません。大きく異なる点は、ベビーマッサージは対象が赤ちゃん(Baby:ベビー)、インファントマッサージ は乳幼児(Infant:インファント)であるということです。乳幼児というのは、0歳児から小学校入学前のまでの年齢層の子どもを指しますので、インファントマッサージは赤ちゃんが成長しても、続けられるマッサージなのです。
合わせて読みたい
インファントマッサージはどのように行うの?
インファントマッサージが良いことは分かったけれど、実際にやるにはどうすればいいの?と思っている方もいるでしょう。ここからは、インファントマッサージを行う時期や、実際にマッサージを行う際の注意点について見ていきましょう。
インファントマッサージはいつから始める?
インファントマッサージを始めるのは、『インファント』の言葉どおり、生まれてすぐの新生児から、はいはいをし始める前までの乳幼児が適齢とされています。つまり、その間であればいつスタートしても良いのです。ただし、乳幼児以上に成長すると、子どもは他のことに興味を示し始める時期になってきますので、そこから初めてのマッサージとなると、なかなか受け入れてくれない可能性もありますので、注意が必要です。
マッサージは赤ちゃんのペースに合わせる
インファントマッサージを始める前は、必ず赤ちゃんに許可を取りましょう。赤ちゃんの表情やボディーランゲージを読み取りながらマッサージを行います。インファントマッサージを継続することで、赤ちゃんの意思表示もはっきり分かるようになってきますので、赤ちゃんを尊重し、赤ちゃんのペースで進めていくことが大切です。マッサージの終わりには、赤ちゃんをしっかりと抱きしめて、「ありがとう」という感謝の気持ちを伝えてあげましょう。
植物性オイルを使って
インファントマッサージでは、赤ちゃんの肌の上でしっかりと圧をかけられるように、セサミオイルやマカダミアナッツオイルなど、植物性のオイルを使用します。オイルはできるだけ香りのないものがおすすめです。マッサージは赤ちゃんが落ち着いている時間帯を選ぶとうまくいきやすいので、ママ自身も時間と心に余裕を持って行いましょう。親子の絆を深めることを目的としているインファントマッサージですので、マッサージを行うのは原則として母親か家族のみにしてくださいね。
合わせて読みたい
福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。