保健室登校から完全復帰するために必要なことは?
メリットがいろいろある保健室登校ですが、親も本人も周りもいつかは教室に完全復帰することを目指していることでしょう。ここでは、保健室登校をしている子どもが教室に完全復帰するためにすべきことをまとめました。
保健室で友人と一緒に給食を食べる
最初のステップとしては、友達と過ごす時間を増やすことがおすすめです。基本的に友達と交流ができるのは休み時間が中心ですが、休み時間では少ししか話すことができません。そこで、給食を一緒に食べるようにすれば、交流できる時間が増えて子どもはうれしいですし、もっと話したいなという感情が芽生えるかもしれません。するといつか少しだけでも教室に行きたいと言い出すこともあるでしょう。
数時間だけでも教室で授業を受ける
教室に完全復帰する前に、数時間教室で授業を受けるのも効果的です。完全に保健室でしか過ごしていなかった子がいきなり完全に教室に復帰してしまうと、しんどくてやはり保健室登校の方が良いと思ってしまうかもしれません。しかし、少しずつ教室で過ごす時間を増やすようにすれば、無理なくクラスや学校生活に馴染(なじ)めるのでスムーズに完全復帰に移れるようになります。まずは、本人が受けたいと思う授業を優先させましょう。
焦らずに本人の意思の変化を待つ
保健室登校をしている子どもに対して、周りの人はつい「早く教室に戻れると良いね」「早く保健室登校から卒業しないと」と言いたくなってしまいます。しかし、焦らせるような言葉は逆効果になりかねません。保健室登校をしていることが間違っているという意味に捉えられる可能性がありますし、大人を信頼できなくなることもあります。そのため、周りの人は焦らずに本人が教室に通いたいと言い出すのを待ちましょう。
おわりに
保健室登校とは、学校に行っても教室ではなく、ほとんどの時間を保健室で過ごすことです。ずっと保健室で過ごす、一部の授業には出席するなど同じ保健室登校でも子どもによって過ごし方はさまざまです。完全に教室に復帰させるためには、友人と交流する時間や受ける授業を徐々に増やしていくのがおすすめだといえるでしょう。
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福祉系大学で心理学を専攻。卒業後は、カウンセリングセンターにてメンタルヘルス対策講座の講師や個人カウンセリングに従事。その後、活躍の場を精神科病院やメンタルクリニックに移し、うつ病や統合失調症、発達障害などの患者さんやその家族に対するカウンセリングやソーシャルワーカーとして、彼らの心理的・社会的問題などの相談や支援に力を入れる。現在は、メンタルヘルス系の記事を主に執筆するライターとして活動中。《精神保健福祉士・社会福祉士》
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