親の関わり方が原因?「いい子症候群」の子どもとは

いいこ症候群
親の言うことを聞き、わがままを言わない子どもは多くの人から「いい子」と言われます。親としても手がかからなくていいと思うかもしれませんが、実際は子どもの心に深い闇を落としていることも多いのです。また、小さい頃から気持ちを抑制された状態が続き、大人になった時に爆発する危険性のある「いい子症候群」という言葉が最近注目されているのを、ご存知でしょうか?
ここでは、いい子症候群についてお伝えしていきます。

いい子症候群とは何?特徴はあるの?

真剣な表情
いい子というのは大人のための言葉です。本来子どもは親に対して全面的に信頼し、わがままを言ってもどんな自分でも受け止めてくれるという安心感を持っています。しかし、いい子症候群の子どもは違うのです。

いちじるしく感情表現が乏しいこと

いい子症候群の子どもは親の顔色を常に見ているので「こういうことを言ったら、ママやパパに嫌われてしまう」と不安に感じて、何も言えなくなります。そのため泣いて自己表現をしたり、怒りに任せて自分の感情を親にぶつけることがありません。

多くの子どもは自分の気持ちを泣いたり怒ったりして表現することで、親にわかってもらおうとするものです。しかしいい子症候群の子どもは何も言わないか、泣かないことがよいことだと思っているので、本当の気持ちを伝えずに心にしまっておくことが特徴的です。

いい子症候群の子どもは常に受け身

子どもは色々なことに興味を持ち、親が目を離すと危険なことをする場合もあります。そういった心配事を避けるために「こうしなさい」「あれはダメ」と先回りして大人が叱りつけていると、子どもは「ママやパパに怒られるから」と何も自分で考えない子になってしまいます。自分で考え、失敗しながら学ぶことが発達において重要な役割を占めています。しかしいい子症候群の子どもは自分で何かを考えるよりも先に親がどう思うかを考えてしまい、結局親からの指示待ちになるのです。そのため、常に受け身の状態になり自分では何も決められなくなる傾向にあります。

いい子症候群は親の理想の押し付け

親が子どもに対して「こういう子になって欲しい」という理想を持つことはおかしなことではありません。名付けの時や子どもとの接し方などで、それらの面は出るものです。ただ、子どもには子どもなりの意見があり、きちんと尊重してあげるべきものです。いい子症候群になる子どもは、親の理想でい続けなくてはならないと自分に対してブレーキをかけ、親の前ではずっと我慢をした状態になります。常に自分に嘘をついている状態なので、気持ちの負担が非常に強く、甘える場所を見失っている場合も少なくありません。

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いい子症候群になる理由や関わり方

厳しいしつけ
子どもの性格は、親との関わりによって変化していきます。3歳までに子どもの人格は形成されると考えられていますが、その後も適切な関わり方をして行くことで、子どもがいい子症候群から抜け出すことは可能です。まずは、いい子症候群になってしまう理由と親の関わり方について、覚えておきましょう。

過度に叱り続けることは自尊心を傷つける

初めての子どもだった場合、とにかく親は期待を寄せて「素晴らしい人に育てなくては!」と自分で自分にプレッシャーを与えがちです。そのため、子どもが何かしたときに「言うことを聞きなさい!」「どうしてこんなこともできないの!」と強く叱り続けてしまうこともあるでしょう。子どもがしたことの度合いにもよりますが、些細な失敗に対しても過度に怒鳴りつけていると子どもは自分に対しての自信を失い、親からの意見が全てになる傾向があります。

子どもを褒めない、興味を持たない

子どもは自分が好きなことにとても執着心があります。ずっと同じことを繰り返していたり、大人からみれば大した話ではないことにも一生懸命になるのです。ただその一生懸命さが後々の自信や好奇心にもつながるので、大事にしてあげなくてはいけません。しかし親が忙しくて子どもとの時間を表面的にしか取ることができず、子どもが好きなことに興味を示さなかったり、子どもからできたことを報告されても、適当な返答しかしないこともあります。こうした親の無関心は子どもの心を傷つけてしまい、褒められたいがためにいい子になってしまうのです。

親の意見が最優先になっている

特に働く親は何かと忙しく、子どものペースに合わせている時間がないと焦る場合もあるでしょう。例えば子どもが着ていく服や行動する順番など全てにおいて親が決めたほうが、効率的なことは確かです。ただ、子どもには子どもなりのこだわりがあり、意見もあります。しかし全て親が決めてしまうことで意見が言えない子になる可能性があり、いい子でいなくては怒られてしまうという恐怖心と隣り合わせになることもあります。

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