【保育監修】小学1年時点で幼稚園卒と保育園卒の子どもには学力の違いはあるのか？

保育園と幼稚園では学力の差はあるの？

ここまでに見てきたように、そもそも保育園と幼稚園では役割が大きく違うため、そこで得られる学びについては大きな違いが生まれたとしても不思議ではありません。しかし、いわゆる義務教育が始まる直前の段階で、子どもたちにそれほどまでに学力の差などというものが生まれてしまうのでしょうか？

全国の学力・学習状況調査によると

1日の大半を過ごす保育園では、入所年齢も0歳〜といったこともあり、根本的には「生活の場」ということになります。しかし、一方の幼稚園は保育内容的にも「教育の場」といった特色がありますね。また、文部科学省が過去に行った「全国学力・学習状況調査」では、幼稚園出身の子が保育園出身の子に比べて平均正答率を数%上回ったという報告がされたこともあり、幼稚園卒の方が学力が高いといったうわさが出回っているのです。

あくまで「統計」であるということ

この統計データはあくまで「統計」です。単に出身を聞いて数字を割り出したというだけで、園の違いが学力にどんな影響を与えていたのかといった理由は明らかにはなっていません。さらに、教育方針も園によって異なりますし、習い事や保護者に関する情報を考慮した統計ではないので、小学1年生の段階で幼稚園卒と保育園卒で学力に差が生じるとは一概には言えないのです。

最近の保育園・幼稚園の取り組み

二つの園における教育面の違いでも紹介したように、最近では、良い保育内容を互いに吸収し合っている傾向にあります。例えば、リトミック等の幼児教育を保育園にも取り入れたり、自由に遊ぶ方針を取り入れたりした幼稚園などさまざまあります。こういったことからも、幼稚園や保育園に違いがあるというよりも、各園によって保育・教育内容に違いが出てきているのです。幼稚園だから頭がいいといううわさも現代では信ぴょう性のないものといえますね。