5歳、6歳ごろから歯の生え変わりが始まります。その時を楽しみに、保管ケースを用意しているパパ、ママも多いのではないでしょうか。また、昔からの風習である「屋根の上に投げる」を実行するのもすてきですよね。世界にも、さまざまな風習が存在しています。今回は、国内外の抜けた歯をどうするかの風習を集めてみました。
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日本では屋根の上に投げる人が多い?
パパ、ママ世代が子どものころには圧倒的に「上の歯が抜けたら縁の下、下の歯が抜けたら屋根の上」と歯を投げていた家庭が多かったのではないでしょうか。しかし、住宅事情の変化などから、どんどんその風習を実行する家庭は減っているようです。
集合住宅の増加から、減少傾向に…
この風習が減ってきた大きな原因は集合住宅の増加です。歯を屋根の上に投げることができないので、自然とその数が減っていったようです。そのため、歯を屋根の上に投げるのではなく、大切に保管しておく家庭が増えてきました。昔ながらの風習が減っていくのは寂しいですが、時代と共に変化していくのは仕方がないことなのかもしれませんね。
上の歯は縁の下へ、下の歯は屋根の上へ
上の歯を縁の下へ投げるのは、新しい歯が下に向かって丈夫に生えることを、下の歯を屋根の上へ投げるのは、新しい歯が上に向かって丈夫に生えることを願ったものだといわれています。投げる際には「ネズミの歯よりも強くなれ」や「ネズミの歯と変われ」、「鬼より早く生えろ」など地域によってさまざまなおまじないをいうことが多いようです。ネズミの歯が丈夫で、後から後からのび続けることにあやかったと思われます。また、屋根は屋根でもトイレの屋根と限定されていることもあり、住んでいる地域の風習を調べてみるとおもしろいですよ。
アジア諸国でも同じような習慣があります
日本各地で少しずつ形を変えている「上の下は縁の下、下の歯は屋根の上」の風習ですが、実は日本のみの風習ではありません。中国や韓国、シンガポールなどのアジア諸国にも同じ風習があります。「新しい歯は古い歯がある方にのびる」といわれているため、下の歯は上に、上の歯は下に投げるそうです。日本に根付いたこの風習も、大陸から伝わったものなのかもしれませんね。
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歯を保管しておく家庭が増えている!
日本で増えてきたのが「抜けた歯を保管しておく」家庭です。前述した通り、家庭事情によるものが大きいのですが、その他にも純粋に「思い出としてとっておきたい」気持ちを持つパパやママが増えているのもその理由の一つといるでしょう。
屋根に投げるに変わって、保管派が多くなっている
抜けた歯を保管するというのは、風習というよりは「思い出作り」という側面が強いです。離乳食期から5歳ごろまで子どもの食生活を支えてくれたのだと思うと、その小さな歯がいとおしく感じられてきますので、大切にとっておきたくなる気持ちも分かりますよね。へその緒をとっておく感覚と同じなのかもしれません。今後はこの保管派がどんどん増えていきそうです。
かわいいケースがたくさん売られている
保管派が増えているため、歯を保管するためのケースの種類もここ数年でぐっと増えてきました。1本だけを入れておくタイプの他、すべての乳歯を入れておけるタイプもあり、デザインも豊富にそろっています。「乳歯ケース」やブック型の「トゥースアルバム」などの名前で販売されているので、お気に入りのものを探してみてはいかがですか?
イタリアなども抜けた歯は保管しています
イタリアでは以前から、きれいな箱に抜けた歯を入れて大切に保管する風習があるそうです。また、箱に入れて保管するのではなく、コスタリカやチリなどでは、金メッキを施してアクセサリーに加工して、身につけておきます。ヨーロッパではデンマークも同様にアクセサリーに加工する風習があります。日本でも、アクセサリーに加工してくれるお店がありますので、気になる方はチェックしてみてはいかがですか?
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歯とコインを交換してくれる妖精がいる?
欧米諸国で主流となっているのが、寝ている間に妖精などが歯とコインやおもちゃを交換してくれるという風習です。まるでクリスマスのサンタクロースのような、すてきなお話ですね。交換された歯は、親がこっそりとビンなどで保管しておくそうですよ。
アメリカ、イギリスでは「妖精」がコインと交換
アメリカやイギリス、カナダなどでは、枕の下に抜けた歯を入れて寝ると夜中に「Tooth Fairy(歯の妖精)」と呼ばれる妖精が歯とコインを交換しておいてくれる風習があります。起こさない様に枕の下の歯を抜き取り、コインを入れるのが難しいため、「Tooth Fairy Pillow (トゥースフェアリーピロー)」というポケット付きの枕を使用している家庭も多い様です。
フランスでは「ネズミ」がコインと交換
フランスでは妖精ではなく、「la petite souris(小さなハツカネズミ)」が枕の下の抜けた歯とコインやお菓子を交換してくれるという風習があります。なぜネズミかというと、やはり丈夫な歯の象徴がネズミだからだそう。日本と同様、ネズミのように丈夫でまっすぐな永久歯が生えるようにお願いしているというわけですね。その他、スペインなど他の国でもネズミが出てきます。
アルゼンチンでは、水の入ったコップに入れておく
アルゼンチンの言い伝えは少し違います。夜中、水の入ったコップに抜けた歯を入れておきます。するとエル・ラトンシートという小さなネズミがあらわれコップを空にし、その中にお菓子やお金をいっぱい入れておいてくれるのです。スウェーデンでも、寝る前にコップの中に入れておく風習があるそう。抜けた歯がお菓子やお金に交換される風習は子どももワクワクできて楽しいですね。
おわりに
子どもの歯の健康を願う親の心は世界共通です。さまざまな風習から、その思いが伝わってくるようですね。日本では屋根の上に投げる風習が少なくなっている様ですが、今後その風習が形を変えていったとしても、子どもの成長を願う親の思いは変わらないでしょう。
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元IT系企業勤務。現在はフリーランスのデザイナーである夫の会社でWebサイトの構築、運営やライティングをしています。ゆる受験で私立中高一貫校に通う長女、ガチお受験で私立小学校に通う次女、そして幼稚園に入園する三女の三姉妹のお母さんもしています。
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