生まれたての赤ちゃんは、実は大人よりも味に敏感です。エネルギー源である糖分やたんぱく質を知らせる「あま味」や「うま味」、それからミネラルの味である「塩味」が大好きってご存じでしたか?そんな敏感な味覚も、離乳食が始まる生後5カ月ごろから、徐々に味覚が鈍感になっていくそう。離乳食を進めながら、子どもの味覚を育てていく三つのポイントについて書いてみました。
離乳食の基本はもちろん「薄味」で!
ポイントの一つ目は「薄味」です。離乳食を始める時には何も味付けをしないと思いますが、これは赤ちゃんが味を敏感に感じてしまうからです。濃い味付けをすると、赤ちゃんの味覚が鈍感になってしまいます。「塩味」「あま味」「苦味」「酸味」「うま味」の五つの味をきちんと感じることができる味覚を育てるには、やはり「薄味」が最適です。
赤ちゃんは味蕾(みらい)が大人よりたくさんある
味を感じる器官「味蕾(みらい)」をご存じでしょうか?味蕾(みらい)は舌の表面にあり、この味蕾(みらい)が脳に味を伝えています。生まれたての赤ちゃんはこの味蕾(みらい)が1万個もあり、青年男性の7,000個より多い数となっています。この味蕾(みらい)は生後3カ月まで増え続け、離乳食が始まる5カ月ごろから味蕾(みらい)の数はそのままになり、味覚が鈍感になっていきます。味蕾(みらい)は刺激物や喫煙などで減っていくといわれています。
生まれた時から「あま味」が大好き!
生命の維持に必要な、糖分の味である「あま味」が大好きな赤ちゃん。だからといって、ジュースやお砂糖は禁物です。わざわざ甘い味付けにしなくても、ご飯やくだものなどの自然のあま味を感じることができます。ここでより甘いものを与えてしまうと、自然なあま味がわからない舌になる恐れもあります。小さい間はなるべく強いあま味は避けましょう。
離乳食を食べないのは「味付け」が原因じゃないかも?
離乳食を進めていく中で「食べてくれない」という問題にほとんどのママが直面しますよね。困り果てて味付けに工夫を凝らす方が多いかもしれませんが、味付けだけではなく、固さや食感、におい、色や形も原因になっていることがあるって知っていましたか?味付けを複雑にするよりは、その他の原因も探ってみるのもいいかもしれません。また、食べてくれないとイライラしていると、食事の時間が苦痛になってしまうので、気楽に取り組みましょう。
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味覚を育てる一番の武器は「だし」のうま味
ポイントの二つ目は「だし」を上手に使うことです。だしを口に入れることで「うま味」を感じられます。赤ちゃんはあま味と同様に「うま味」も大好き。母乳にも、たくさんのうま味成分「グルタミン酸」が含まれています。
古くからの日本人の知恵「うま味」
和食に使われる昆布だしやかつおだしなど、「だし」にはうま味成分がたっぷり含まれています。うま味を感じられると、味付けが薄くても満足感を得られます。昔から日本人は知らず知らずのうちに繊細な味覚を身につけていたのですね。しかし、現在では、食の欧米化が一般的となり、うま味を感じられる献立の回数は減っています。ぜひ、意識をして和食の献立を取り入れていきたいところです。
「うま味」を上手に伝える方法!
「だし」は離乳食の早い段階から使える調味料です。どんどん取り入れていきましょう。顆粒(かりゅう)だしは手軽で便利ですが、できればきちんとかつお節や昆布からだしをとった方が、香りや風味が伝わりやすいのはいうまでもありません。より強い「うま味」を舌で感じてほしい場合は、天然の材料でしっかりとだしをとることをおすすめします。
「うま味」がわかる舌で、繊細な味覚が育ちます
赤ちゃんは「うま味」、「あま味」、「塩味」がお気に入りです。しかし、「あま味」と「塩味」はたくさんとり過ぎると、味覚が鈍くなるだけではなく、体にもよくありません。そこで、「うま味」の登場です。赤ちゃんがおいしいと感じる「うま味」で満足感を得られると、調味料を大量に使う必要がありません。そうすることで、舌への刺激が少なくなり、繊細な味覚を育てることができるのです。
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元IT系企業勤務。現在はフリーランスのデザイナーである夫の会社でWebサイトの構築、運営やライティングをしています。ゆる受験で私立中高一貫校に通う長女、ガチお受験で私立小学校に通う次女、そして幼稚園に入園する三女の三姉妹のお母さんもしています。
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