1日のうちに、何度も泣きだしてしまう新生児の赤ちゃん。泣き続ける赤ちゃんをあやすために、抱っこすること、よくありますよね。しかし、昔から「抱っこしすぎると抱き癖がつく」といわれます。抱っこしすぎて抱き癖がつくと、赤ちゃんになにか悪い影響があるのでしょうか?今回は、新生児の抱き癖についてご説明します!
抱き癖ってなに?いつからつくの?
授乳をしても、おしめを替えても、なにをやっても泣きやまない新生児の赤ちゃん。なんとか赤ちゃんをなだめようと、抱っこするシーンが多いですよね。生まれて間もない新生児となると、起きている時間の大半を抱っこに費やす・・・そんな話も珍しくありません。
しかし、赤ちゃんを抱っこしていると周囲の人から「抱き癖がつく」といわれることがあります。昔からよくいわれる「抱き癖」とは、一体、なにを意味するのでしょうか?
抱き癖の詳細は不明?医学用語ではない
出産と育児を経験した女性なら、一度は耳にしたことがある「抱き癖」という言葉。実は、明確な定義は存在しません。医学用語にも抱き癖に類する言葉はなく、詳細は不明です。一般論でいえば、抱き癖とは赤ちゃんが抱っこをせがむのが癖になってしまうこと。その原因は、ママやパパが頻繁に抱っこしすぎることだといわれています。
抱き癖がつく時期についても、確かな情報はないものの、「新生児のうちから赤ちゃんを抱っこしすぎるのはよくない」といわれることがあります。
そもそも抱き癖がつくって本当?
そもそも抱き癖とは本当に存在するのでしょうか?新生児にとって「泣く」という行為は自分の欲求や感情を表現するための行為です。おなかが減った、眠い、不安だ、不快だ・・・などなど。この時期の赤ちゃんはまだ大人のように、記憶を脳内に蓄積できるわけではありません。
新生児の赤ちゃんが泣くのはその時々の欲求に従っているだけ。さらに、頻繁に泣くか泣かないかは、赤ちゃんの気質による部分が大きいとされています。つまり、産まれてからの抱っこの回数によって泣く頻度が決まるとは、考えにくいのです。
合わせて読みたい
抱き癖がつくのはいいこと?悪いこと?
周囲から「抱き癖がつく」といわれると、抱っこするのをためらってしまいますよね。一方で、「抱っこした方がいい」といわれると、それはそれで、赤ちゃんを放っておくのが悪いことのように思えてしまいます。抱き癖のいい面・悪い面、両方を知って、自分と赤ちゃんにとって程よいバランスを見つけましょう。
抱き癖がついてもいい!抱き癖のメリット
2017年にアメリカのネーションワイド・チルドレンズ病院が発表した研究結果によると、大人が触れる回数が多い新生児は、スキンシップに対してより活発な反応を示したとのこと。この研究は早産で生まれ、新生児集中治療室(NICU)に入っている新生児を対象に実施されました。大人から頻繁に接触をうけることが、赤ちゃんの脳の発達によい影響をもたらすことを証明しています。また、これは正産期に生まれた赤ちゃんにもいえることで、抱っこによるスキンシップが、赤ちゃんの発達に大きなメリットをもたらすとの研究結果があります。つまり、抱き癖はつけてもいい!といえるでしょう。
抱っこしすぎにはデメリットも!無理は禁物
抱っこのよい影響についてご紹介しましたが、この研究では「ごく優しい接触」による調査です。つまり、ママがふんわりと、優しく抱っこしてあげることが前提。そこで問題になるのが、ママの体力・精神力です。赤ちゃんが新生児の間、ママは寝ることもままならず、24時間態勢で育児に追われます。そこに長時間の抱っことなると、疲れ切ってしまうママも多いのではないでしょうか。赤ちゃんにとって抱っこの時間は大切な物です。ただし、ママの元気があってこそ。大人がイライラした気持ちで接すると、赤ちゃんを不安な気持ちにさせてしまう恐れがあるため、無理をしないことが大切です。
合わせて読みたい
30代、保育士。夫と未就学児の長男・小学生の長女の4人家族。初めての出産で分娩トラブル、乳腺炎、産後クライシス、保活失敗など…数々の「洗礼」を受けた経験から『特別なことをするのではなく、地に足の着いた育児』をモットーに、日々奮闘しています。現在は認定こども園で働く傍ら、ライター業にも従事。
この記事に不適切な内容が含まれている場合はこちらからご連絡ください。